雑学・和歌山→記事一覧 投稿した記事が増えてきましたので目次と要約のサイトにリンクしました(2010.4.3)。画像も増えてきましたので、雑学・和歌山 MY ALBUMにリンクしました(2011.2.12)。

2013年05月08日

The Little Prince

サンテグジュペリの「The Little Prince」。日本語タイトルは「星の王子様」。1943年に出版された初版はフランス語で書かれている。その後さまざまな英文翻訳が出された。もちろん日本語への翻訳も多く、関連本もたくさん出版されている。

随分と昔読んだ記憶があるが内容は忘れてしまった。王子様が別れを告げる場面が印象的だった。どちらかというと児童文学ではなく大人向けの内容だったように感じた。

美しい英文で書かれていると言われるRichard Howardの「The Little Prince」、読んでみようかな...



サンテグジュペリの生前に唯一出版された1943年の米国版に基づいたオリジナル版の邦訳版
  


Posted by ecell at 11:49Comments(0)小説と絵本

2013年05月06日

ぼくは勉強ができない

山田詠美という女性作家が書いた高校生小説「ぼくは勉強ができない」を読んだ。'96年8月に映画化されたという。

この書籍は、番外編を含めた九つの短編で構成されている。わたしは、「ぼくは勉強ができない」と「あなたの高尚な悩み」の二つを読んで、後を読み続ける気を失くした。高校生の間でとても評判が良く、主人公の時田秀美はクールで憧れた生徒が少なくないと聞く。

しかし、わたしは、この小説の登場人物の誰にも感情移入することができなかった。この主人公も彼の祖父も母も小学校時代の担任も、今の担任桜井先生も、みんなクソ(排泄物^^)だと感じた。たしかに文章はうまい。比喩も悪くはない。ただ、登場人物とストーリーがわたしの好みに合わなかった。それだけのことである。

おそらくそれは、一所懸命努力しているものを茶化したり、そういう価値観というか考え方を冷やかしているところが気に入らなかったのだと感じる。「ぼくは勉強ができない」のではなく「ぼくは勉強をしない」のであればまだわかる。

この主人公は勉強をしていない。できないのではなく、そういう価値や努力を否定している。スポーツや芸術を至上のものとし、勉強することをバカにしている。そこがわたしは気に入らなかった。この本のあとがきを読んで、もうこの人の作品を読むことはないだろうと思った。

  


Posted by ecell at 13:22Comments(0)小説と絵本

2013年04月14日

僕を支えた母の言葉

父のことを書いた。そしたら、母のことも思い出した。



動画を観終えて感想を読んだ。「ありがとう、お母さん。」「直接言えないけど、いつも感謝しています。長生きしてください。大事なお母さん。」
こんなコメントのなか次のように書かれているコメントがあった。

泣けたけど・・・不仲の母を思い出した。
今は心から感謝とか尊敬できない。
母が死ぬまでそんな心もちでいたら、私はどれだけ後悔するのだろう・・・。
母を許せる、母に素直に感謝できるよう成長したい。


人間って切ないですね....  


Posted by ecell at 15:57Comments(0)小説と絵本

2013年04月14日

読売新聞の気流欄

今日(2013.4.14)の読売(朝刊)の気流欄のテーマは「自転車」。その投書欄の左隅に掲載されていた「父の優しさ記憶」を読みました。投稿者のお父さまがご存命なのかどうかはわかりませんが、良き記憶、良き思い出というのはほんとうに宝モノなんだなぁと思いました。

わたしはブログにプライベートなことはできるだけ書かないようにしていますが、これを読み、懐かしいものに触れたような気がしました。良き記憶、良き思い出は、心のカメラでしっかりと写し取って、何時までも色褪せぬものなのですね。

わたしにも父の記憶が鮮明に残っています。冗談、親父ギャグが大好きで古いラジオで花菱あちゃこさんの「お父さんはお人よし」をよく聴いていたっけ。もう二十年近くも前のこと。一昨日が父の命日でした。

亡くなる一年ほど前の年でした。父からの年賀状がお年玉くじの二等賞に当たっていました。賞品はラジカセ。いつもは見ないお年玉くじなのに、その年に限って何故かチェックしてみたのです。父からの最後のプレゼントだったのでしょうか。

親孝行、したいときには親は無しなのですね...

  


Posted by ecell at 13:31Comments(0)小説と絵本

2013年04月01日

関西人には、ご用心!

関西人には、ご用心! これは、書籍のタイトルです。著者は元大阪府議だそうです。ネットでは、面白過ぎるという意見と悪意に満ちているなどの悪評とがあります。昨年(2012)の12月18日発売で、和歌山市民図書館では2冊を購入し貸出しをしています。



この本を関西に対する悪意に満ちていると評価するひとは、例えば、書籍の帯の文章を取り上げています。

ことによると、中国・北よりも…厄介な関西人の心の奥を丸裸に!
あがく彼等に、もっと愛を…

大阪人…自己チュー、隠れ東京派
京都人…他者を見下すブランド主義
兵庫人…流行に敏感はマユツバだ
奈良人…雅でおっとりは大ウソ
和歌山人…バカヤマ自称の自虐の人
滋賀人…大人しそうだが、一番怖い

首都圏人とは根本的に異質な人々


和歌山に関しては、本文で「和歌山出身の松下幸之助さんが生前、和歌山に工場をつくらなかったと前置きし、新幹線・高速道路の時代の流れに乗れなかった恨みと心の底に怨念が渦巻いている」と書かれているそうです。ウーン、当たっているのだろうか。わたしは未読ですが、県人として個人的には、新幹線・高速道路の時代の流れに乗れなかった恨みや怨念はないし、関空が大阪府の泉南にできたことも取り立てて喜んではいない。

もちろん、和歌山が幹線軸から相当離れているという地理的な弱点は認識しているが、それを持って恨むとかは無いと思う。関西にはそれなりに良いところがあり、もちろん和歌山には一杯良いところがあると思っています。それに和歌山人は別に自虐ではなくて、謙虚なひとが多すぎるのではと思ったりしているんですが...  


Posted by ecell at 11:23Comments(4)小説と絵本

2013年03月27日

かわいいこねこをもらってください

ちいちゃんはこねこをひろいました。ところが、おうちはアパートでかえないし、もらってくれるひともなかなかみつかりません…。小さな命をまもろうとがんばった女の子のお話です。

よくあるお話ですがラストシーンが特に好い。だから、暗い話もなんだか後味が良くほのぼのとした読後感が残る。是非、猫好き、動物好きの方、図書館(和歌山市民図書館では11冊所蔵)等で借りてでも読んでいただきたいと思います。

なお、この作者のさよならチワオ (絵本カーニバル)もアマゾンなどで評判が高いようです。



蛇足:
2011年09月10日小さき命というタイトルでノラ猫のことを書いた。このノラ猫は今はもういない。ときどき、ふっと後悔とともに思い出す。おまえを守ってやることができなかったな、と。  


Posted by ecell at 19:19Comments(0)小説と絵本

2013年03月24日

和歌山県警がモデル

黒川博行さんの「落英」という小説が刊行された。本格警察小説とのことだが、宣伝の惹き句が少し気になった。何故なら、書かれているのが大阪府警の警察官、和歌山・南紀銀行副頭取射殺事件、それに和歌山県警の刑事。それも、汚職まみれの和歌山県警の刑事とある。和歌山県警の汚職まみれの刑事ではない。

和歌山県民のわたしとしては面白くない。確かに、南紀銀行のモデルになっている銀行は解散して今はないが、当時、やくざの貯金箱と言われていたようだ。これは事実だから、小説として、あるいはノンフィクションとして描かれても止むを得ない。

問題は汚職まみれの和歌山県警だ。確かに、以前の県警は管内で迷宮入り事件が多く発生し、不祥事も少なくなかった。近畿の中で捜査力が桁違いに低いとされていた。しかし、和歌山毒入りカレー事件の初期捜査に失敗したもののその後立件し何とか有罪まで持ち込む(依然として冤罪の指摘はあるが)ことができた。以降、和歌山県警はそれなりに頑張っている。

それが小説とはいえ、「汚職まみれの和歌山県警」と書かれるのは実に不愉快なことである。でも、かっての和歌山県警は酷かったと聞く。もちろん、今でも不祥事が絶えない大阪府警がどう書かれようがしったことではないけど。

小説の内容紹介(アマゾンより引用)
大阪府警薬物対策課の桐尾と上坂は覚醒剤密売捜査の最中、容疑者宅で想定外のブツを発見した。発射痕のある中国製のトカレフ――迷宮入りしている十六年前の和歌山・南紀銀行副頭取射殺事件で使用された拳銃だった。ふたりは拳銃を調べる専従捜査を命じられ、射殺事件を担当していた和歌山県警の満井と手を組む。しかし、満井は悪徳刑事だった。桐尾と上坂は、事件当時に犯人と目されていた暴力団幹部に、発見した拳銃と同じものを売りつけるよう、満井に持ち掛けられる。


さらに、ある新聞での広告では次のように書かれていた。
降って湧いた人生最大の事件(ヤマ)。
送り込まれた助っ人は、汚職まみれの和歌山県警の刑事。
行き着く先は破滅か、大金星か。




落英の意味 goo辞書より
「英」は花・花びら。「落英」は散る花びら、また、散った花びらのこと。  


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2013年03月19日

こどもは5歳までに

子どもは、5歳までに親孝行の限りを尽くすという言葉がある。1983年11月に福音館書店から発刊されたこどものひろば、この本はそんな子どもたちの言葉を書き留めた作品集である。子どもたちの感性。それを失ってからもう何十年も経ってしまったなぁ。




おかあさん 上の歯って苦労するね
だって ずっと長いあいだ ぶらさがってなくちゃならないもの (7歳男子)

わたしがおかあちゃんのおなかにいたとき はいあがっておくちからのぞいたら
おねえちゃんがぐずぐずしとるゆうて しかられよったで (3歳女子)

ママ! まぁちゃんを怒らないでくれよ
まぁちゃんはおれの弟なんだよ ママの弟じゃないだろう (5歳男子)

カラーテレビ(ほし ようすけ 5歳男子)
おばあちゃん
むかしのほうがぎじゅつがすすんでいたね
だって
色のついているものを
白黒で
うつしていたんだから

追記:書いた後調べてみると、「こどもは5歳までに親孝行の限りを尽くす」って言っているのはわたしだけのようです。そういう言葉はありませんでした。こどもは親が亡くなるまで孝行をするべきです。いい加減なことを書いて申し訳ありませんでした^^  


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2013年03月17日

歴史と事実

歴史って、結局のところ、過去に起こった出来事を綴ったものだと思う。学校での勉強は、決定的に時間が足らないから暗記中心になってしまうのだろう。でも、これを当時の人々はどう生きたかという観点から具体的にみていくと俄然面白くなってくる。

それに、なんともいえない、どう解釈するべきかという不可思議な歴史事実もある。以下は、ほんとうに歴史上の事実なのか以前から疑問に思っている話である。

ひとつは、豊織時代のこと。晩年の秀吉は、聡明さを失い耄碌してしまって愚かな政策、愚行、残虐な政策・政治を行ったという批判があるが、それは事実なのか。天下を統一した後、秀吉はバテレンの国外退去を命じたりしているが、それは何故なのか。

イエズス会の幹部に、「お前たちは我が国の民を奴隷として海外に売りわたしていると聞く。いかようにも金銭を与えるから、その者どもを解放し、二度とそのようなことをせぬよう配下の者どもに指示を出せ。」と涙を浮かべながら依頼した。これは事実なのか。また、日本近海で朝鮮や明国の男女が奴隷として運ばれる船舶を拿捕し彼らを解放したのは事実なのか。

ふたつめは、時代が下り幕末のとき、アメリカの4隻の軍艦(黒船)が我が国に圧力をかけて「あくる年、また来るから開国するかどうか、よく考えておけ。」と浦賀を去って行った。浜辺でそれを見送る幕府役人のすぐ近くで、相撲取りたちがしこを踏んだ。これは事実か。何のために、相撲取りたちがしこを踏んだのだろうか。

ほんとうにくだらないことかもしれないけど、そんなことに興味を持っている。確かにつまらないことかもしれない。でも、これらは事実であってほしいという気持ちはある。わたしは、歴史とは、事実が判明するまで、いろいろと想像し、事実かどうかも含め考えることに楽しみがあると思っている。そうそう、むかし、松本清張の「或る「小倉日記」伝」を読んで感動したことがあったなぁ。あの母子にはモデルがいたのかな? いたとしたら(モデルはいたと言われている)、その実際の人生はどうだったのだろうか。  


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2013年03月13日

犍陀多(カンダタ)の思い出

カンダタは、芥川龍之介の小説『蜘蛛の糸』の主人公です。昨日、本屋に立ち寄り、280円文庫を知りました。『蜘蛛の糸』は、そのなかの一冊です。

1988年(昭和63年)2月、たくさんの人が行列を作っていました。わたしは、何かしらんと思いながら好奇心もあり並んでみました。そして、前の人に聞いたのです。すると、「ドラゴンクエストの発売です」と言います。「???」

以下...「ドラゴンクエストⅢ」のネタバレが含まれています。これから遊んでみたい方はこれ以降は読まないように....



ゲームソフトを買ったのは良いのですがファミコンがありませんでした。早速、購入して始めてみますと、これが大変面白い。音楽、シナリオ、画像がとても良くできていました。このゲームには悪役としてカンダタが登場します。高い塔の最上階まで苦労(戦士を強くするため経験値というものを稼ぐ必要がありました)しながら追い詰めていきます。すると、驚いたことにカンダタは塔から飛び降りてしまうのです。すごい地響きとともに地下に隠されていた船に乗ってカンダタは逃げていきます。そんなゲーム内容でした。歴史に残るといっても過言でないゲームソフトだと思います。

当時、わたしはカンダタが『蜘蛛の糸』の主人公とは知りませんでした。もちろん、小説は読んでいました。その後、ある高名な作家がこの小説を批判していることを知りました。それは、お釈迦様がカンダタに蜘蛛の糸を垂らすという行為そのものが問題であるというものです。地獄からは誰もが脱出したいのです。誰もが助かりたいのだから、蜘蛛の糸が切れそうになれば、手を離せというのは当たり前ではないですか。だから、お釈迦様がそのようなことをするはずがありません。うーむ、説得力があると思いませんか。

ここで話が突然飛んでしまいますがどうかお許しを。動画(映画やテレビ)は、エジソン(1891年)が発明してから100年少しで芸術になりました。写真はもう少し時間がかかったようです。では、コンピュータゲームはもう芸術と呼べる段階にあると言えるのでしょうか。わたしは、アニメーションと同様に、今や芸術(アート)作品ではないだろうかと思っています。



わたしにとって、カンダタとは、小説『蜘蛛の糸』の主人公ではなく、ドラゴンクエストの悪役キャラのほうに強い印象が残っています。それにしても、ほんとうに世界に誇れるゲームソフトであったと思います。その後と言えば、やっぱり「信長の野望」かな.....  


Posted by ecell at 10:20Comments(0)小説と絵本

2013年03月08日

久しぶりのレンタルビデオ

久しぶりにビデオを観た。前から見たいと思っていた「沈まぬ太陽」、「NHKスペシャル ドキュメント太平洋戦争 第1集 大日本帝国のアキレス腱 ~太平洋・シーレーン作戦~」、それに「武士の一分」。

さらに、以前に観たがもう一度観たいと思っていたビデオ。「激突! スペシャル・エディション」と「手錠のままの脱獄」の二作品。

「沈まぬ太陽」は、202分の長編だが、それなりに迫力があり、見せ場もあった。特に、1985年(昭和60年)8月12日18時56分、日本航空123便、東京(羽田)発大阪(伊丹)行、ボーイング747SR-46(ジャンボジェット)が、群馬県多野郡上野村の御巣鷹の尾根に墜落した事故をモデルにした描写が印象的だ。

わたしはあの頃、毎週月曜日には大阪から東京へ日帰り出張をしていた。だから、あの便に乗る可能性はゼロではなかった。とにかく当時は大変なショックだった。

「武士の一分」は、江戸時代のある藩での「公務災害」に遭った侍の話である。ところどころ突っ込み所もあるけれどうまく纏まっていたように感じる。しかし、この作品もそれほど感動する程のものでは無いように感じた。

「激突!」(1972年・米) タンク監督 スティーヴン・スピルバーグ製作は、さすがというべきか、恐怖というか迫力がすごい。後半では、あのタンクローリーが生き物のように見えてくるから不思議だ。こんな映画をよく創ったものだと感心感動した。



P.S.
今から2年前の2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による東電福島第一原発の事故は、原発の安全神話が作り話だったことを曝け出した。専門家の信頼性も地に落ちてしまった。わたしたちは利便性の影にあるリスクをいつも意識していなければならない。あの日本航空123便で亡くなった方々(死亡者520名・負傷者4名)の無念の思いに応えるためにもリスクを最小のものとするための努力を日々続けていかなければならない。あらためて、御巣鷹山で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。  


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2013年03月06日

お風呂で読める本

半身浴や足湯などをしながら読書をしていると、湯気で本がよれることがあります。そんなときにお風呂で読める本を購入するのも好いでしょう。まだまだ少ないですが、それでもかなりの本が出版されています。アマゾンで調べると、お風呂で読める本として、語学関連、その他学習関係や文庫本もあります。

それから、やっぱりお風呂のなか(湯舟)で使えるイスがあるといいですね。折りたたみイスが2,000円弱(送料込み)で売っています。これに風呂用デジタル温度計(時計機能付きで室温もOK)があれば完璧。

 

関連:お風呂で読める本  


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2013年03月03日

長生きしたけりゃ肉は食べるな

まったく見解を異にする書籍が出版(2013年1月)された。「肉を食べる人は長生きする」と「長生きしたけりゃ肉は食べるな」という書籍だ。昨日(3月2日)の読売新聞コラムにも取り上げられていた。それは健康と肉食についての考え方の違いである。コラムでは、肉食は日本人の寿命を飛躍的に延長させたとして「肉を食べる人は長生きする」に軍パイを上げている。

アマゾンでの「長生きしたけりゃ肉は食べるな」についての書評でも激しい議論があった。菜食主義者と肉食主義者。わたしにはどちらが正しいのかよくはわからない。

ただ、何の根拠もないが栄養的にバランスの取れた食事であれば健康に良いのではと思っているが、食育や健康法については、このような真逆になるものも含め、いろんな説が飛び交っているのが現状だ。結局のところ、どの考えを参考にするかは個人次第ということになるのだろうか。


肉を食べる人は長生きする 健康寿命を伸ばす本当の生活習慣
出版社: PHP研究所 (2013/1/9)


長生きしたけりゃ肉は食べるな
出版社: 幻冬舎 (2013/1/24)
  


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2013年03月01日

日本人を守る最後の戦い

戦いにおいて一番難しいのは退却戦でなかろうか。負け戦で戦意が喪失している軍主力を守りながら、迫撃する敵に応戦しつつ、退却するというのは大変な任務である。ともすれば、恐怖心で総崩れになるのが普通のことだろう。

1945年(昭和20年)8月20日、日本が連合国に敗れた後、内蒙古に取り残された4万人の邦人を保護し、内地に帰国させるという奇跡を起した軍団がいた。関西地域の出身者で構成された独立混成第二旅団、その名を響兵団という。

本格的な国共内戦がはじまっていた中国で、ソ連・蒙古軍の迫撃を受けながら4万人の邦人を如何にして祖国に帰還させたのか。多くの人の知恵と自己犠牲によって成功させたこの脱出劇、それを可能にさせたのは同胞愛であったにちがいない。

わたしが一番印象に残ったのは次のエピソードである。下記の書籍142ページ。張家口の40キロ東南、宣化の駅構内での八路軍との戦いである。極めて少数の鉄道守備隊、隊員6名と宣化の病院にいた病兵15,6人が引揚げの日本人を満載した列車20本ほどを守った逸話である。

八路軍は、その後も何度か、襲撃して来た。山本軍曹らの”病兵分隊”は、疲れ果ててしまった。
「射ち合って二日目、二十二日の昼ごろ、八路軍は、また襲撃して来ました。もう持ちこたえられん、退却しようと決めたときのことです。
後方の引込線の貨車から降りて来たのでしょう、五つか六つのイガグリ頭の男の子が、近づいて来るんですな。大きなカバンをひきずるようにして、小走りに走ってくる。その子を目標にしたんでしょう。八路軍の迫撃砲弾が、子どもの周囲に炸裂する。思わずその子を横抱きにして、窪地にとびこみました」
男の子のカバンの中には、焼いたおムスビが、十五、六個入っていた。
「兵隊さん、これ食べてがんばって下さい」
山本軍曹の顔は、涙とドロで、目の下がまっ黒になっていた。.....


以上はひとつの逸話にすぎない。満州や南樺太の惨状と比べる気持ちはないが、この内蒙古引揚者の保護脱出の歴史は日本人として知っておいたほうが良いだろう。軍の本質は、国民の、邦人の保護にある。この書籍はそういうことを教えてくれた。

関連:
昭和20年8月20日 日本人を守る最後の戦い―四万人の内蒙古引揚者を脱出させた軍旗なき兵団


この書籍の末尾に、著者は「張家口に集結した四万人近い日本人の、奇跡の脱出成功のかげに、丸一陣地で、戦死、戦傷死、あるいは苦難の撤退の際に力尽きて落伍し、自決したと思われる尊い犠牲者、さらに鉄道沿線警備などに倒れた兵士があったことを、永久に忘れてはならないであろう」と書き、せめて判明している氏名だけをここに掲載することをお許しくださいと書いて、筆を置いている。

和歌山県人では5名。その所属、氏名そして階級が記されている。あなた方の尊い犠牲に同じ県人として深い敬意と感謝を表しこころからご冥福をお祈りします。  


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2013年02月13日

「凛として」を読んで

「凛として-日本人の生き方」(2005年4月20日初版第一刷)産経新聞社発行を読んだ。今頃何故と思うかもしれないが、実は少し前に亡くなられた堀江ひとみさんの生き方を知りたかったのである。

彼女は、暴力団の抗争に巻き込まれ、流れ弾によって殺された愛娘(マナムスメ)のため、暴力団組長の使用者責任を問い勝訴するとともに、組長の刑事裁判の行方(懲役15年の判決)を決定付けた。

以後、組長から勝ちとった和解金を元に犯罪被害者の会を立ち上げ、暴力団犯罪による被害者を支援した。ひとりで暴力団を敵に回して戦ってきた普通のお母さんの生き様には頭が下がる思いがする。

堀江ひとみさんはじめこの書籍では、12人の有名無名の方々の生き様が描かれている。まえがきで取材班のキャップは、取り上げた人物が何を成したか、というより、いかに生きたかを表現して欲しかったと記している。それ故、殆ど世間に知られていない方もおられる。

因みに、後の11人は次の方々である。カンボジアに舞った一輪の桜・中田厚仁。日本アマレス お家芸への道・八田一朗。中国残留孤児の父・山本慈昭。台湾の恩人・八田與一。サハリンの同胞を救った夫婦・朴魯学 堀江和子。不世出の冒険家・植村直己。品質を追求したウィスキーの父・竹鶴政孝。悪に挑んだ「昭和の鬼平」・土田国保。キネマの天使に捧ぐ・小津安二郎。昭和新山とともに・三松正夫。国民歌手の真実・三波春夫。

こういう企画は大変に良いことだと思う。自信を失いかけている日本人に同胞がこんな素晴らしい生き方をして死んでいったということを知らしめ、長く記憶にとどめるためにも。

 「凛として」題字は横田早紀江さん  


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2012年12月29日

「凶悪」宮本太一著

2007年1月新潮社発行のノンフィクションを読んだ。「新潮45」の和歌山県出身の記者、宮本太一さんの著書である。

暴力団組長だった死刑囚の(ほかにもコロシをしているという)告発を受けたジャーナリストが、娑婆でのうのうと生き延びる、「先生」と呼ばれる男、真の凶悪を追い詰めていくストーリだ。ジャーナリストの視点で描いた作品は醜悪な人間の悪を照射する。しかし、この書籍の執筆時点では、事件の結末はまだわかっていない。そのため、読後感はよろしくない。

ネット情報によれば、2010年3月3日、先生こと三上静男被告(当時60歳)に対し無期懲役の判決が確定したとのことである。後藤良次死刑囚の告発が成功したようだ。

わたしが特に印象に残ったのは、事件の端緒を得てから三度目に交代した、水戸地方検察庁のナンバー2である。この次席検事の熱意と決意によって事態が大きく進展した。何事もそうかもしれないが、結局、組織も社会も個々の人間が動かしているってことを気づかせてくれた。

もうひとつ。やはり、ジャーナリストってすごいなと思わせてくれたこと。それも、和歌山県出身だなんて特にうれしい。まだ46歳、宮本太一さんの今後ますますのご活躍を期待したい。

  


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2012年06月22日

これは名文か

先だって6月20日の読売新聞朝刊18面に、いじめや裏学校サイトが話題になっていた時期、2008.4.7朝刊1面「編集手帳」に書かれた文章が引用されている。この文章はこの後、だだっ広い教室で一人ぽっんと座っている生徒の写真をバックにした新聞CMとして広く知られるようになった。当時、車内吊りの広告で見られた人も多いだろう。


ひとの心を傷つけて
喜ぶ心さびしき者に
聞く耳はなかろうから、
中傷された君に言う。

蝿たちの集まりでは、
蝶も「キモイ」と
陰口をたたかれるだろう。

心ない者たちのうちにも
自分と同じ美しさを探しつつ、
君はひとり
大人になればいい。


それで、問題ですが、この文章は名文でしょうか。いじめられている人たちの心に届く文章でしょうか。あなたはどう思いますか。一読、リズムもあり、詩的な文章で多くの人の共感を呼ぶ。そうお思いでしょうか。

この文章には色んな読み方があります。もっとも痛烈な批判は、いじめ問題を薄っぺらな理解の基に書いた記者特有の上から目線の秀才文章だというもの。その他さまざまな意見があります。いじめられる者はほんとうに蝶だろうか。彼らにも反省するべきところもあるのじゃないだろうか。いやいや、いじめる奴らに、いじめられる者と同じ美しさを求めることは無理だし無意味だ。...とさまざまです。あなたはどう思いますか。

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2012年06月17日

読みたい書籍

書籍を購入するときって、多くは本屋さんなどで立ち読みをして購入するのが普通だと思います。でも、だんだんと出かけるのが億劫になってきて、近頃は新聞やネットでの惹句、書評やクチコミ等を見て注文することが結構あります。手に入るまで2~3日かかるのが少し問題だけど...

今、買おうかどうしょうかと思っているのが下記の書籍。これらのほか、読みたい小説や絵本等は、公共の図書館で借りることができるので、そちらを利用しています。

一番目はこの本。英語がしゃべるようにはならないが、TOEICで高得点を取ることができるよってノウハウ本。ある意味、徹底しているよね、試験のための本っていうべきか、それともTOEICをゲーム感覚でクリアするって感じの本なのかなぁ。興味津々です。



以下は、この本の惹句です。

従来のTOEIC勉強法の本は、英語が好きだったり、得意だったり、短期間と言えども1日に何時間も猛勉強しているというものばかりでした。

しかし、本書は違います。「いかにラクして要領よくTOEICの点数を急激にアップさせるか」。これだけを突き詰めた勉強法なのです。なので、著者はこう言います。「TOEICの点数はメキメキ上がるけど、英語全般ができるようになるとは限らない」。

TOEICで出る所だけを勉強すればTOEICの点数は上がります。
しかし、英語がペラペラしゃべれるようになるとか、英語力全般がアップするわけではありません。

本書では、TOEICに出ない所は一切勉強しないというスタイルを貫いています。
就職や昇進など、とにかく、すぐにでもTOEICでハイスコアを取りたい人には、必ず役立つ勉強法でしょう。

オススメの教材、ダメな教材も、詳細に取り上げました。
1日1時間程度の勉強を気が乗ったときにだけやり、土日は全然しないという著者でも成功した方法を本書では余す所なく紹介します!


お次は、ホタルの育て方、観察の仕方を通して、自然と共存する生活を学ぶための手引書。日本人って、桜、ホタル、花火が大好きですよね。わたしも、この儚(はかな)いものっていうか、独特の美しさを愛しています。外国の方は、ホタルを見ても光る虫がいるって感じで興味を持たない人が普通だって聞きました。文化の違いなんですかね。



以下は、この本の惹句です。

日本図書館協会選定図書
日本の文化、日本人のこころとも言うべき「ほたる」。
育て方、観察の仕方を通して、自然と共存する生活を学ぶことができます。人と生き物に優しい里山の自然環境作りは、世界に誇れる日本の文化でもあります。子供たちと一緒に、ほたるを観察し、そしてほたるが住める環境を学ぶことができる本です。


最後は、毛色が変わって、少しマニアックです。JavaScriptっていうプログラミングでゲームを作るためのエンジン(ライブラリ)である「enchant.js」の解説本です。もちろん、JavaScriptの解説もあります。ちょっと値段が高いので、今のところ、古本かオークション待ちって感じです。



9leap.netというサイトには、このゲームエンジンを使って創られたいろんなジャンルのゲームがあり、スマートフォンでも遊ぶことができます。

注:ここからリンク先のamazonに入って書籍を購入すると、わたしは手数料(価格の3.50%)をいただくことができます (^-^)

英語の基礎を勉強するには、カラー版 CD付 中学3年間の英語を10時間で復習する本及び 例文で覚える中学英単語・熟語1800などがお勧めです。  


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2012年05月14日

教育改革

わが国の教育のシステムは、江戸時代の藩学校や寺子屋もそれなりに機能をしていたが、明治に入っての義務教育制度は、やはり画期的で素晴らしい仕組みであったと思う。この制度は、戦後も尋常小学校等から名前を変えながらも現在まで大きく変わっていない。

このシステムは、年数制というか6,3,3,4年制で、基本的に年数が経っていけば進級するというシステムである。現在、これを見直し、習熟別進級システム等の導入などが議論されている。

ところで、和歌山駅周辺にはいっぱい学習塾がある。小学生専門から浪人専門まで全国チェーンの有名学習塾などである。思うに、本来は学校で学ぶべきことを教えるのであれば、このような補助、補習のための学習塾は不要だと思うのだが、もはや学校にはそのような余力が無いのだろう。

それはさておき今日、書きたいことは大阪の国旗の掲揚、国歌の起立斉唱のことではなく、教育とは何かということ。わたしは、教育の専門じゃないですが、人にモノを教え、人を育てるということについて考えるとき、奇跡の人の、あの先生、サリバン先生のことを思う。三重苦のヘレンの才能を開花させたサリバン先生の教育の力。それは、つまるところ愛というものでなかったか。

眼が見えず、聞こえず、しゃべれないヘレン。甘やかされ、絶望している野獣のようなヘレンに歯を折られながらも言葉を教え続け、それを持って世界を教えたサリバン。人が人に何かを教えるとはかくも大変なことなのだ。それは人と人との格闘なのかもしれない。気障だけど、それが愛というものなのかもしれない、と思う。



蛇足(2012年05月16日):実際のヘレンは、映画のような乱暴な女の子ではなく、おとなしく穏やかな子供であったという説があります。わたしもそうだったかもしれないと思います。でも、映画は彼女の内面をあのような表現で描いたのであって、サリバン先生=奇跡の人じゃないということを意味するものではないと考えます。  


Posted by ecell at 21:41Comments(0)小説と絵本

2012年04月28日

小津監督の「東京物語」

とても内容の濃い映画だと感じた。夫婦、親、子、孫、近所の人、友人。東京、尾道、大阪。家族、生活、仕事。とにかく、もろもろあるなかで、みんな日々を過ごしている。そして、死、別れ。この映画はそんなことを淡々と描き、観る人に深い感動を与える。

戦死した次男の未亡人役の原節子がすごい。
「わたし、ずるいのです」
彼女の孤独が浮かびあがってくる台詞だ。血がつながっていない次男の嫁。東京での暮らし。孤独。これを際立たせたのが長女役を演じた杉村春子。彼女もすごい演技だと思う。

そして、脚本と演出。例えば、妻が死んだ翌朝、一人寂しく海を眺めていた父親。葬儀での三男坊の涙等々。これらの描かれた家族愛は、生涯独身だった小津安二郎さんの夢、理想だったのかもしれない。

みんなのシネマレビューでのこの映画のレビューを拾い読みして、この映画の大きさ深さをあらためて思い知らされた。わたし的には、京子(次女)が節子(次男の嫁)からお弁当を渡されて「すいましぇん」と言うシーンが特に印象的だった。「せ」を「しぇ」と訛る尾道弁を聞いて、昔の友達を懐かしく思い出した。  


Posted by ecell at 21:30Comments(0)小説と絵本