雑学・和歌山→記事一覧 投稿した記事が増えてきましたので目次と要約のサイトにリンクしました(2010.4.3)。画像も増えてきましたので、雑学・和歌山 MY ALBUMにリンクしました(2011.2.12)。

2013年04月03日

大津市いじめ問題は終わっていない

昨日(4月2日)、遺族が市や加害者とされる同級生らに損害賠償を求めた訴訟で、遺族側が主張していたいじめについてほぼ認める内容の準備書面を市側が大津地裁に提出したことが分かった。市側は、いじめと自殺の因果関係を認めた上で、改めて遺族側に和解を求めている。これに対して、遺族側弁護士は「現時点で和解するかどうかは白紙」と話している。

加害者の少年2名は家庭裁判所に送致され、暴行や窃盗など14歳未満時点での非行事実で刑事処分の可能性も含め検察が処分を検討している。もう一人の加害者の少年も書類送検され一括して審判が行われる見通しらしい。

我が国の多くの国民を怒らせた大津市中学2年生のいじめ自死事件は刑事民事とも大詰めを迎えている。国会ではいじめに関する法律案が議論され、教育委員会制度の要否など我が国の教育制度のあり方についても検討されはじめた。さらに、この事件の関係者について一部のものが処分されたが、何らの処分もされること無く退職したものもいる。

いじめについての生徒アンケートが明らかになったとき、亡くなった生徒の無念を思い多くの方々が涙した。しかし、実に印象的だったのは、大津市の教育委員会や学校関係者の誰一人、涙を見せなかったことである。いじめと死には因果関係が無い。関係があるかも知れぬが家庭にも問題があった。云々。

結局、父兄説明会で父兄から「ひと一人亡くなっているんだ。なぜ、冒頭に黙祷をしないのか」と怒鳴られ、渋々黙祷するという体たらくであった。あの教育長たちは自死した生徒の気持ちを思い涙ぐむことなどまったく無かった。考えていたことは責任逃れと言い訳、それに不誠実さと怠慢な態度だけであった。

逃げ回っていた教育委員長は世間の批判にようようコメントを出した。「仕事を抱える私ができることはやった。非常勤の教育委員が事務局をコントロールできるのか難しい部分もある」

わたしは、こんな形骸化した教育委員会など不要だと強く思った。もう根元から腐ってしまっている。そして、大阪の高校で教諭の体罰を苦に自死した事件が発生した。これも衝撃だった。

しかし、今ようやく良い方向に進もうとしている。決して、彼らの死を無駄にしてはいけないという思いを持つ方々が世の多数を占め、学校を、教育制度を変えていこうとする強い動きが起こっている。

思えば、このブログのカテゴリ「大津市いじめ問題」の記事が100になっています。もう、この記事で一応のまとめをしよう。滋賀大津で、大阪市桜宮で亡くなられたお二人、どうか安らかにお眠りください。ご冥福を心からお祈りいたします。わたしたちの社会は今ようやく、いじめや体罰という問題に真剣に取り組みはじめたのです。どうか天国から見ていてください。  


Posted by ecell at 22:40Comments(0)大津市いじめ問題

2013年02月01日

大津市の第三者委員会報告書

昨日(2013.1.31)、大津市の第三者委員会は、同級生による男子生徒への行為を「いじめ」と認定し、「いじめが自殺の直接的な要因となった」と結論づけた報告書を越直美市長に提出した。わたしはまだ第三者委員会報告書を読んでいないが次の報道が気になった。

産経 2013.1.31 23:54 読売記事が原因で「加害生徒から聞き取りできず」 第三者委が報道を批判

大津市の第三者委員会は報告書で、昨年12月の読売新聞社の報道が原因で、加害者とされる生徒からの聞き取りが拒否されたとして同社を批判したことである。その報道を理由に、生徒の保護者が「信頼関係が壊れた」として、生徒からの聞き取りを拒否したという。

仄聞するところによれば、三人の同級生のうち一人、それに担任の教諭の聞き取りが拒否されたらしい。逆に言えば、報道を理由に聞き取りを拒否したのは一人であって、他の二人の聞き取りは行っている。また、担当教諭の聞き取り拒否の理由は何なのか。まさか、同様の報道内容を理由としているのではないだろう。

つまり、第三者委員会の関係者への聞き取り調査は相手方の好意によって可能であるということだ。従って、相手方はいつでも聞き取りを拒否することができる。ならば、法令または条例などによって、聞き取り調査を強制(黙秘権は認めるが)するか、少なくとも拒否した者の名前を公表するなどの権限を与えるのが筋ではないだろうか。報道機関には報道の自由があるのだから。

結局は、このような調査は事件が起こったときに直ちに行うべきであるということなのだろう。遅すぎるのである。しかし、世論や報道に尻を叩かれながらではあったが、滋賀県警、大津市第三者委員会の関係者には、お役目ご苦労様、お疲れ様でしたと言っておきたい。  


Posted by ecell at 09:13Comments(0)大津市いじめ問題

2013年01月25日

より良くなるのか教育制度

教育に関する政府の取り組みが報道されている。ひとつは、「教育再生実行会議」で、文科省の諮問機関(審議会)よりも権限が強い。現実的な提言をされることを期待したい。

安倍首相「教育再生は最重要」 いじめ対策、教委見直し 実行会議が初会合
産経ニュース 2013.1.24

政府は24日、安倍政権で教育改革の司令塔となる「教育再生実行会議」(座長・鎌田薫早稲田大総長)の初会合を官邸で開いた。安倍晋三首相はあいさつで「教育再生は経済再生と並ぶ最重要課題だ」と述べ、改革に強い意欲を示した。

いじめを苦にした子供の自殺防止方策や、教諭による体罰問題への対応で批判を受けた教育委員会の見直しなどを幅広く議論し、施策に反映させるのが狙い。首相は「教育再生にはさまざまな壁があるが、たとえ物議を醸すことがあっても意見を言ってほしい」と活発な議論を要請した。


もうひとつが警察庁の通達である。これは直ちに執行されるものであって、学校内の犯罪抑止に繫がることが期待できるものである。

いじめ:被害届、即時受理 警察庁通達「主体的に対応」
毎日新聞 2013年01月24日 東京夕刊

学校などでのいじめへの対応について警察庁は24日、被害少年や保護者が犯罪として扱うよう求めた場合には、原則として被害届を即時に受理することなどを盛り込んだ対応策をまとめた。状況に応じ、教育現場の対応を待つのではなく「主体的に対応」するよう、同日付で全国の警察本部に通達する。


思うに、我が国の教育制度には優れた点が多々ある。最近では時代のニーズに合わせ小学校での英語教育の実施など漸進的だが着実に対応してきている。まだまだPTA会費の流用など不明朗なことなど課題も幾つかあるが、これらも徐々に改善されつつある。

今、関係者はイジメと体罰の問題についても真摯に取り組もうとしている。おおいに期待したい。それにつけても大きな疑問がある。それは教育家・教諭とは専門家なのかという疑問。公募の校長などが無事に勤まっているところをみると、専門家でなくとも教育家(者)になることができるのではと思える。ならば、教育家(者)・教諭とは何者なのか。

心臓外科の医師は、手術の腕を磨くため、利き手でない左手でりんごの皮を剥く訓練等をし、高度な技術を身につけたとか。職人、技術者たちも同様、様々な訓練や修行をし腕を磨く。専門家たちは知識の取得とともに努力を重ね一人前になってきたのだ。然るに、教諭としての教育家(校長を含め)に公募によって誰でもがなれるのであれば、その専門性とはいったい何なのだろうか。ただ単に大学において教職課程の科目を履修しただけのことなのか。よく分からない。  


Posted by ecell at 19:51Comments(0)大津市いじめ問題

2012年12月22日

大津市の校内犯罪の捜査状況

大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が昨年10月に自殺した問題で、滋賀県警は近く、男子生徒をいじめたとされる同級生3人のうち、当時14歳の1人を暴行や器物損壊の疑いで大津地検に書類送検する方針を固めたそうだ。もうひとりの当時13歳の1人については児童相談所に通告するとのこと。それから女性教諭を殴ったり蹴ったりして小指骨折などのけがを負わせたことについても別の傷害容疑に含めて書類送検する方針らしい。

ようやく、刑事事件のほうは片がつきそうだ。市が設置した第三者調査委員会の結論前に県警が送検するとは予想外であった。委員会の調査結果を待って送検すると思っていたのだが、警察庁の意向が強く働いたのであろう。

遺族からの告訴を受け7月に着手した捜査が12月になってしまったのは、県警のやる気の無さもあるが、加害者たちの暴力行為の否認もあったのだろう。いずれにしてもこの大津市の不愉快な事件は民事を別にして一応決着がついたと思う。

この加害者は反省なぞしていないと思われる。遺族が損害賠償を求めている民事訴訟でも、3人は暴力行為の一部を認めたうえで「遊びの一環だった」と主張しているようだ。警察の任意の事情聴取でも、いじめとは認識していなかったと主張したとみられる。

しかし、あのような酷い暴力行為(強盗、強要、恐喝は証明されたのだろうか)が遊びだったとは到底考えられない。かれら加害者は学校や警察を舐めきっているのではないか。少年法に守られた加害者は酷いことをしても将来性を考慮して罪を逃れることができる。被害者は死んでいるのだから真実は分からない。

例の教育長も24日で退任。教育委員長はすでに交代している。あの7月から変わったことと言えば、各地域でやけにいじめの認知件数が増えたこと。警察がいじめ問題に取り組みだしたことぐらいかな。いじめ問題は本質的には何も変わっていない。いや、そうではない。眼に見えないところで静かに変化が起こり始めている、と思いたい。

参考:朝日新聞「加害生徒2人を書類送検へ 大津いじめ、暴行など容疑」  


Posted by ecell at 18:08Comments(2)大津市いじめ問題

2012年11月10日

いじめ対策基本法案(仮称)に期待

報道によれば、自民党は8日、いじめ問題への抜本的な対策が必要として「いじめ対策基本法案(仮称)」を策定する方針を決め、骨格を固めたようだ。いじめに加担した児童や生徒の保護者の責任を明確化し、学校側にいじめの加害者を出席停止にする権限を与えた。次期衆院選の公約に盛り込み、政権奪還後に早期成立を目指す考えである。

法案の詳細は不明だが、一歩前進といって良いだろう。しかし、これは、学校、義務教育という課題の中でのいじめ問題に係わるルール作りにすぎない。さらに、教育委員会制度、倫理、歴史教育、塾と義務教育のあり方などについても踏み込んだ政策論議をしてもらいたいものだ。

いじめのほか「学級崩壊」「モンスターペアレント」など学校側の課題についても問題点を整理し、教育管理職や教諭の義務と権限を明確にするなど対策をまとめる必要があろう。

大津市のいじめ事件は哀しい事件であった。この事件を風化させてはいけない。せめてこう考えようではないか。教諭や子供たちにとって、学校は地獄なんかじゃない、けっこう楽しいところだと思えるようにするための良いチャンスとしようじゃないだろうか、と。学校を恨みながら自死するこどもたちを再びつくらないためにも。そう願っている。  


Posted by ecell at 08:47Comments(0)大津市いじめ問題

2012年11月07日

申し訳ないが吹いてしまった

Twitter上で共感を呼んだツイート集というサイトがある。ここで、つい笑ってしまったツイートがあった。

いじめられた女性のツイート。こんなふうなことが言えるほど立ち直ったことと皮肉が快い。
いじめやってた人が同窓会で「私らの時代は軽くイジってる程度だったのに、最近のいじめは酷い」と言ってたので、「私はあんたがいたから不登校になったよ」と言っておいた。彼女の仕事は学校でのカウンセラーらしい。忘れるってこういう事。


もうひとつ。一線を越えたクレーマーのような悪い人に対して「あなたが悪い」と言うことの大切さをツイートしていて共感した。
「このラインを超えたら客じゃない、というのがある。それ以上やらせるとスタッフがいじめられて心に深い傷を負う。私たちはこのラインを超えてくるクレーマーがいたらその瞬間からスタッフを守るのが義務だ」… http://t.co/JOawtSq6 コレ大事、もう本当に大事。


詳しくは、今夜は何も考えずに眠るのだで書かれている。良いことは良いと、悪いことは悪いと、言える。これは大事なことだ。  


Posted by ecell at 08:01Comments(2)大津市いじめ問題

2012年11月02日

なんという失言

生徒の月命日、市教委職員「パーティーですか」YOMIURI ONLINE(読売新聞)

ちょっと古い情報です。先月(10月)5日の報道です。
浜松市で6月、中学2年の男子生徒が自宅マンションから転落死し、市教育委員会が設置した第三者委員会がいじめの有無を調べている問題で、市教委の担当職員が月命日で集まった生徒の母親やその友人らに「きょうはパーティーですか」と発言していたことが分かった。職員は不適切だったとして同日、母親に謝罪した。

死亡したのは市立曳馬中に通っていた13歳の生徒で、自殺の可能性がある。

職員は第三者委員会の事務局を担当し、生徒の月命日である9月12日の夕方、お参りのため別の職員と自宅を訪問した。母親と友人、近所の人がいた。職員は帰り際「きょうはパーティーですか、いいですね」と発言した。

職員は取材に「人が集まり夕食の準備などでにぎやかですねという意味だった。誤解を招く発言で後悔している」と話している。


以上が引用です。まったく不謹慎な話で失礼ですが、これに対するネットの反響が面白いかったので、コピペしておきます。

・仕事中だけど自分が何をやっているか、認識していない?
・悪気はなくて素だったとは思うんだ、うん。緊張感はゼロだったみたいだが。ただ、これだけパーな職員がいる組織を信用することは出来ないよねえ


なお、下記のような情報もあります。
この職員は50代の女性職員でいじめの第三者委員会の事務局に所属とのこと。発言の直後、その場で抗議は受けなかったが不適切な発言だったと自覚していて上司に報告していた、とのこと。


ちょっと信じられない言葉です。でもおそらく、全く悪意のない素の言葉だったような気もします。あっ、わたし何をしゃべっているのだろう、と思ったに違いありません。いやいやそうであって欲しいです。

緊張していないからだという批判もありますが、逆に緊張しているときにこそ、失言って出るものかもしれません。覆水盆に返らずです。誠意をこめて謝るしかありません。それにしても、これが大津市であったなら大変なことになったことでしょう。  


Posted by ecell at 22:24Comments(0)大津市いじめ問題

2012年10月22日

大津市教育委員会が公表しないかも

9月27日の大津市教育委員会(9月定例会)後、教育長の澤村憲次委員を除く非常勤の教育委員4人は、これまでの対応を検証し、反省点などを市のホームページ(HP)で公表することを明らかにした。

このことについては、2012/09/29「いじめの反省、時期未定」で批判した。

教育委員4人が反省点を書くのにそんなに時間がかかるとは思えない。そのとき、結局はやる気が無いんだと感じた。そのとおりのようだ。

10月18日(10月定例会後)、各委員が進めている自己検証結果について「全国の教訓になればと思うが、個人情報が含まれ、公表できない可能性もある」との見解を示したのだ。ソース 「大津・中2自殺:カウンセラーもいじめ対策研修 教育委員長が提案

この際、大津市は第三者か第四者委員会でも立ち上げて、教育委員会の要否について調査をしたらどうだろう。自分で反省もできない組織のようだから、調査委員会は各教育委員の思いを聴取し取りまとめ、各委員に代わって公表してやればどうか。

それにしても、「個人情報が含まれ公表できない」のなら、個人情報に関連するところを書かなければ良いだけの話じゃないの。要は公表してまた火種になるのが恐いだけのような気がするのだが...  


Posted by ecell at 06:44Comments(0)大津市いじめ問題

2012年10月16日

いじめにあったときの対処法

いじめから子供を守ろう!ネットワーク ブログによれば、いじめにあったときの対処として、「避難して大人に知らせる」ことを奨めている。いじめは、卑怯な行為で、する方が100%悪い。そんな卑怯なことには、まともに相手にしないで、大人に知らせなさい。そう前もって伝えておくことが大切だ。<ここまで引用>

全くそのとおりだと思う。しかし、問題はいじめを知らせる大人である。こどもはいじめられていることを恥ずべきことと思っている。そのような状態にあるこどもが父や母に話せるだろうか。心配をかけまいと黙っていることになるのが通例だろう。

では、先生はどうか。信頼できる先生にならば、相談や報告ができるかもしれないが、そのような先生は少ない(と感じる)。先生自身に精神的、時間的な余裕が無いのが現状だ。そうすると、いじめられているこどもには逃げ場が無いことになる。

かってエホバの証言剣道受講拒否事件があった。高専の生徒がその信仰する教義(他人と争いをしない)に基づき剣道実技を拒否した。そのため、原級に留置きされ、翌年には退学処分を受けた。納得できない彼は司法の救済を求めることにした。

平成8年3月8日の最高裁判決は、信仰上の理由による剣道実技の履修拒否を代替措置について何ら検討することも無く、原級留置き、退学処分をした校長の措置は裁量権の範囲を超え違法であるとした。

今のこの国には、理不尽なことに遭っても逃げる場所は殆ど無いかも知れない。ただ、事後救済はしてもらえる可能性は高いという例だ。

だから、いじめにあったときの対処は、とりあえず「避難をする」こと。嘘も方便。仮病を使ってでも登校を拒否すること。勉強なんて、その気になれば、どこでも、いつでもすることができる。

大津の事件を知って、この国の教育制度を変えたいと強く思った。硬直した管理教育からいろんな選択肢を持つ教育制度に変えるべきだと。科目別クラス制、教育委員会制度の採否の選択制、貧しくて義務教育を受けられなかった年配者などの中学校への受け入れ、その他さまざまな意見を踏まえ、より良い制度を再構築していって欲しい。

少なくとも、学校とは地獄のようなところだと思いながら、死んでいかなければならなかったこどもをつくらない為にも。  


Posted by ecell at 07:51Comments(0)大津市いじめ問題

2012年09月30日

西原理恵子さんの《いじめられている君へ》

遅ればせながら、今日(2012年9月30日)、8月4日朝日新聞の《いじめられている君へ》西原理恵子さんの記事を読んだ。いじめ関連記事としてはかなりの賞賛を得たそうだ。やがて消えていくだろう記事なので、短文でもあるし拡散のためにも全文をコピペしておきます。

なお、この文章に対する賛否は以下のとおりです。西原理恵子「いじめられている君へ」に多くの称賛と少しの批判

独断ですが、西原さんの言いたいことは、上手にうそをついてでも死なないで、少なくとも16歳まで生き延びてくださいということだ、と思う。彼女の次の言葉が一番言いたかったことなのだ。

「学校は、いじめられてつらい思いをしてまで行くようなところじゃない。長い夏休みだと思って、欠席してください。そして、16歳まで生き延びてください」

この考えには批判があります。曰く、「いじめられた被害者が不登校に追い込まれてしまう状況を是認している。仮病と勇気を持つこととは違う」など。

しかし、わたしは彼女の意見に同感します。そのうえで、今、こどもたちが置かれているわが国の状況を思います。嘘をつき、自分の意見や考えを封じ込めなければ生きていけない現実。これって、こどもだけではなく、多くの大人もそうなんだろうが。

それにしても、次々と報道される「いじめ」、否、校内での犯罪。この国は、この社会はどこかおかしくなってしまったのか。年間3万人を超える自殺者。この数字を特別におかしいと思わなくなってから久しい。悲しいとも思わなくなっている。もしかすると、この国、この社会だけではなく、自分自身もおかしくなってきているのかも知れぬ。

《いじめられている君へ》西原理恵子さん 引用全文  続きを読む


Posted by ecell at 19:57Comments(0)大津市いじめ問題

2012年09月29日

いじめの反省、時期未定

9月27日の大津市教育委員会(9月定例会)後、教育長の澤村憲次委員を除く非常勤の教育委員4人は、これまでの対応を検証し、反省点などを市のホームページ(HP)で公表することを明らかにした。

岡田委員長は、先月の委員会(9月定例会)後の記者会見で、はじめて自殺について「対応が十分でなかった。責任を感じている」と公式に謝罪した。それ以来のコメントである。

既に、大津市では警察の捜査とは別に、市長部局が設置した外部有識者による第三者調査委員会、市教育委員会事務局幹部の検討委員会が立ち上がっている。わたしは、ひょっとしたら教育委員会の5人のメンバーも独自の調査をするのかなと思っていたが、そうではなく、反省をし、それを取りまとめ公表することにするらしい。

彼らが言う「対応が十分でなかった。責任を感じている」という責任とは、きっとマスコミ等に対してウヤムヤにできず問題を大きくしてしまった責任のことかもしれない。反省を取りまとめる時期も未定とのこと。

先の記者会見では、「非常勤の私たちができることをやったと思うが、(公式の場に出るのが)遅かったと言われても仕方ない」と謝罪。忙しい彼らは「遅かったと言われても仕方ない」のだ。遅いと言われても謝罪すれば済む話で、誰もおれたちを罰するものはいない。そのうち世論も下火になった頃、適当に反省した振りをすればよいのだ。ほんとうにふざけた話だ。

蛇足:おそらく、大津市の5人の教育委員は個人的には責任感もあり高潔でまじめな人たちなのでしょう。しかし、こと教育委員会に関する限り、主体性、責任感、当事者意識の無さが感じられます。やはり、現行の教育委員会のシステムにその問題があるんじゃないだろうか。結局、彼ら非常勤4人の実質的な任命権は教育長が持っているのだろう。  


Posted by ecell at 08:42Comments(0)大津市いじめ問題

2012年09月19日

大津いじめ問題の現状

ちょっと個人的な調べものがあって暫くブログの更新が滞っていました。その間も世の中は動いています。中国の反日デモ、和歌山市役所の景観サイト、民主党と自民党の代表・総裁選、維新の会の綱領策定などについて思うことや書きたいことがあります。

前置きが長くなりました。ここでは、大津いじめ問題の現状として新たに判明したことについて書きます。この事実は、事件当時、いじめとは考えなかったという学校等の言い分を覆させるものです。

今日(9月19日)、担任の教諭たちがいじめを知っていた事実が判明したとの報道がありました。事実関係ははっきりしませんが何を今更って感じがします。深読みかもしれませんが、来月、警察が捜査結果を公表するまでこのような隠されていた事実がさらに出てくることだろう。

それにしても、何故教育委員会や学校サイドは追い詰められないと事実を出さないのだろうか。推測だが、この公表までの経緯は、警察サイドの担任教諭等の取調べ(事情聴取)、家宅捜索時の押収資料などをもとに学校側に圧力をかけた結果だと思います。

あなたたちがマスコミに言ってきたことは捜査の事実とは違うが、これは隠し覆いきれない。警察としても、今の状況では握りつぶせないのだ。市教委と学校側で善処するしかない。と、突き放したのかもしれません。

杜撰で無責任な教育行政は大津市だけではないと思っています。それにしても、ここまで追い詰められて、シラをきれなくなって、ようやく、それも渋々事実を認めるとは...  


Posted by ecell at 10:07Comments(1)大津市いじめ問題

2012年09月12日

暴力行為が全国ワースト7位

和歌山県内の国公私立の小中高校で平成23年度に確認された暴力行為は、前年度より149件多い753件にのぼり、児童生徒1千人あたりの発生件数は6・6件(全国平均4・0件)で全国ワースト7位。

いじめは、前年度の212件から半減以下の98件(追記のとおり93件に訂正)で、1千人あたりの発生件数は0・9件(全国平均5・0件)と全国で3番目に少なかった。つまりベスト3位。

これは、文部科学省の調査結果で、今月(9月)11日発表された。この結果、特にいじめの発生件数の減少は喜ばしいことなのだが、果たして、実態を正確に現しているのかどうか些か疑問がある。

例えば、熊本県は桁違いにいじめの発生件数が多い。これはアンケート調査を無記名でしているからだと考えられる。和歌山県ではアンケートを作成する生徒の名前を書かせているようだ。記名式なのだ。そのうえおそらく、教室内でアンケートを書かされているのだろう。同級生からアンケートを覗かれたり、何をそんなに書いているのだと冷やかされることもあるだろう。一方、暴力行為の認知はアンケートではなく、喧嘩など先生自らの確認が多いことと思う。だから、暴力行為は隠しにくく、表に上がりやすいのではないだろうか。その結果、認知(発生)件数が多くなっているのではなかろうか。

通常、暴力行為が多いということは学校が荒れているということだろう。生徒同士の暴力なのか、対先生への暴力なのか、その逆なのか詳細は不明だが、暴力行為がワースト7位(ベスト40位)でいじめがワースト44位(ベスト3位)とは何だかおかしい感じがする。

県教育委員会は、この結果をどのように分析しているのだろうか。わたしは、調査手法に問題があると見るのだが...

産経ニュース 2012.9.12:暴力行為、全国ワースト7位 23年度、県内小中高校 和歌山
毎日新聞によれば、暴力行為は小学校15件(3件増)、高校143件(2件増)。中学校は571件で前年度より143件も増えており、特に生徒間暴力が327件(107件増)と半数以上を占めている、とのこと。また、暴力行為は増大したのは、「程度にかかわらず実態を反映して計上するようになった学校があったことも影響した」と県教委が分析していると報じた。← この分析には笑ってしまった。つまり、暴力行為もいじめも、和歌山県においては正確な調査ではないということ。程度次第でどうにでも変わっちゃうのだから。

それから、和歌山県立高校の中退者は全国ワースト5位だそうだ。これは程度の問題ではない。厳然たる事実だ。

追記:県教委は12日、昨年度の児童・生徒の問題行為に関する調査結果の一部を訂正した。県立高校・特別支援学校のいじめ認知件数は正しくは34件(前年度比69件減)で、公立小中学校と合わせると計93件(同95件減)だった。  


Posted by ecell at 22:47Comments(0)大津市いじめ問題

2012年09月12日

あいも変わらず大津市教育委員会は

大津市立中2年の男子生徒(当時13歳)をいじめたとされる同級生の1人が担任の女性教諭に暴行し、重傷を負わせた問題について、「教育的配慮」を理由に被害届を出さないことを市教委も支持していた。

しかし、けがは左手小指骨折で全治4週間と重かったことから、市教委が方針を変え、傷害容疑で滋賀県警に被害届を出すよう指導したという。

つまり、「教育的配慮」ではなくて「重傷」だったからか。教育長が大学生に襲われて重傷を負ったこととのバランスなのか。仮に教育長が頭を殴られただけならば、変更はなかったかもしれない。そんなバカなと思うのだが、ありえない話ではない。

彼らのいう「教育的配慮」とは、「所属組織への配慮」なのだ。加害者が反省し、「教育的配慮」が必要であったのならば、それを徹底するべきじゃないのだろうか。それにしても、肝心の負傷した女性教諭は被害届を何故出さなかったのだろうか。

今度は、教育委員会の指示が出たのだから、それに従い被害届を出すのだろうか。今の学校の先生には自由意志なんてないのだろうか。学校や教育委員会の意のままに操られているのだろうか。何とも腑に落ちない教育という名の深い闇。先生やこどもたちがかわいそうに思えてくる。

関連ニュース:大津いじめ、担任暴行で被害届…市教委方針変更(2012年9月12日10時19分 読売新聞)
  


Posted by ecell at 13:45Comments(0)大津市いじめ問題

2012年09月11日

増加するいじめの刑事事件化

いじめを受けた子どもやその保護者が直接、警察に被害届を出し、刑事事件にするケースが増えている状況を踏まえた意見を読みました。9月10日の産経ニュースです。

いじめの刑事事件化に賛否両論があり、すべてを警察任せにしても真の解決にはつながらないと意見をしています。

確かに仰るとおり、今、大切なことは、子どもや保護者の目線に立って、学校や教育委員会が国民の信頼を取り戻す努力をすることだと思います。また、これまでの「教育問題」としての対応が「保身」や「事なかれ主義」につながっていなかったかどうか、教育関係者全員の猛省を求めることにも同意します。

この意見では、いじめは、あくまで「教育問題」として子どもたちに対応すべきだという見解に組しているように思います。でも、果たしてそうだろうか。基本的には、教育はいじめを未然に防ぐ、警察沙汰になる前に芽を摘むことだと思うが、いじめという名の犯罪が起こってしまえば、それは警察の出番であろう。教師は司法権限を持っていないのだから。

それ故、大津の中学校で生じた女性の先生への一ヶ月の重傷を負わせた暴力事件も判断を警察に委ねるべきであったのではないだろうか。わたしは、これまで教育という名のもと、行政がやるべきことをせず、一部の教育公務員たちがやりたい放題にしてきた自治体の教育制度を抜本的に変革することを求めます。教育をこどもやその保護者に取り戻す必要があると感じています。まずは、教育委員会も含めた教育制度をもっと開かれたものにする必要があります。

そのためには警察を利用するのも良い。ネットで、教育関係の議論を広め深化させていくことも必要だろう。大津のいじめ事件を契機に国民の多くがこの国の教育に大きな闇があることがわかってきただけでも大きな進歩だと思っています。まだまだ時間はかかることでしょうが良い方向に進んでいると信じています。  


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2012年09月07日

文科省のいじめ対策

5日、文科省はいじめ問題への総合的な取り組み指針を発表した。「いじめ問題支援チーム」と「いじめ問題アドバイザー」の二つの組織を新しく作り、一部は今月中にスタートさせる。

国直轄事業として、学校や家庭を支援する専門家らが「いじめ問題アドバイザー」として全国200カ所に配置する。また、子どもたちから相談を受けるスクールカウンセラーを増員する。

具体的には、弁護士や元警察官、精神科医らを「いじめ問題アドバイザー(仮称)」に委嘱するとのことである。

これとは別に、和歌山市教委は5日、いじめや校内暴力などの解決のために助言する弁護士やカウンセラー、警察官OBなどによる専門家サポートチームを発足させた。事業費予算は約500万円。

精神科医、スクールソーシャルワーカー、教員OBの13人で構成し、ケースに応じて、市教委が必要と判断した専門家と共に学校を直接訪れ、教職員らに対応を指導、アドバイスする。

このようなサポートチームは、石川県などで設置の事例がある。全国webカウンセリング協議会という組織が「ネットいじめ対応アドバイザー認定制度」を設けている。何のことは無い、文科省や担当部局の予算が増大し、天下り先が増えるだけの話じゃないか。

問題を起した部門の予算や要員が増え、天下り先や利権が増大する仕組みはおかしいと思う。問題を起さずに、しっかりと担当する事業を地道に頑張っている部門が割を食うのは納得いかない。問題を起した部門には、責任を取ってもらうため、ペナルティとスクラップ・アンド・ビルドの措置を取ってもらいたい。

即ち、責任者の懲戒、更迭、全体予算(人件費を含む)と全体組織の縮小である。そのうえでカットされた予算と要員を新規組織に当てるべきである。天下り先の新規確保などもってのほかである。

なんだか、いじめ問題は関係行政組織の新たな利権の争奪闘争になっている感じがする。数百億円の予算の分捕り合戦に終わってしまいかねない。ほんとうに、この国の教育現場を変えようとしているのか。いじめ問題に真剣に取り組もうとしているのか。あの閉鎖的で無責任な教育委員会をそのままにしておくのか。教育委員長の常勤、教育委員会の廃止など形骸化した委員会を抜本的に見直すことは必要ではないのか。その点、国も自治体もはっきりしない。ほんとうに子供のことを考えているのか、やる気があるのかどうか極めて疑わしい。自分たちのことしか考えていないようにみえる。  


Posted by ecell at 10:53Comments(0)大津市いじめ問題

2012年09月05日

今まで異常だったかも

いじめ被害届が7月以降19件も警察に出されたそうだ。この増加について、警察庁幹部は「大津の報道を見て、いじめも事件として扱われると受け止める人が増えたのではないか」と話した。

先月(8月)、警察庁は被害届を原則として即時受理する方針を決めている。これまでがおかしかったのだ。教育的配慮などという学校側の都合で、被害者を救えず、加害者の更正の機会を奪い、教育現場を荒廃させてしまった。

昨年10月に自殺した大津市の中学2年の男子生徒をいじめたとされる同級生3人のうちの1人が担任の女性教諭に重傷を負わせた。学校側はこの生徒の暴行障害を教育的配慮から警察に被害届を出していない。教師、教育者とは、そんなことをされても我慢しなくてはならないのか。

ならば、大津市の教育長を襲った大学生にも同様に教育的な配慮から被害届を出さないのが道理でないだろうか。道理はそうだが、この考えは前提が間違っている。犯罪を構成する行為はもういじめではない。これは教育を与えるという枠を超えている。だから、教育的な配慮は必要ない。法律に基づく措置を取るべきレベルの話である。

もちろん、教育とはこどもを立派な大人にするため教え育てることであろう。しかし、こどもと言えども犯罪を犯したものは法によって処罰するのは当たり前のことであって、教育という名で犯罪を隠滅し容疑者を蔵匿することは許されない。大津では、当たり前のことが当たり前になっていない。全く機能しない教育委員会。無責任な教育委員会事務局。PTAの会費の不当(不法?)流用支出。反日教育に走る日教組、大教。これらは大津市だけの問題ではない。この国の教育現場の深い闇を見る思いがする。  


Posted by ecell at 20:09Comments(0)大津市いじめ問題

2012年09月04日

大津いじめの事情聴取

滋賀県警は、夏休み中に、事件が起こった中学校の生徒ら約300人への聞き取りを済ませ、暴力行為などに関する複数の目撃証言を得た。体育祭での暴行容疑については、会場だった陸上競技場で複数の生徒に立ち会いを求めて実況見分も行った。

9月1日には、容疑者2人の事情聴取を警察関係施設でともに保護者が同席し行っている。県警は近く、残る1人からも事情を聞くという。

報道によれば、生徒のなかには聴取中に心の葛藤からか涙する者もおり、同席の父兄もこどもの心を思いやって涙を流すこともあったらしい。こどもによっては、昨年の事件がフラッシュバックした者もいるかも知れず、恐怖や不快な事実を再経験させられたり、癒えかけた心の傷のかさぶたを無理やり剥がされたように感じた者もいるだろう。いやでも生涯忘れることができない出来事になったと思うこどもいるだろう。

いじめとは斯くも惨いものなのだ。加害者、被害者、傍観者。あの時何故、気づいてやれなかったのか。勇気を出して助けてやればよかった。

警察に事実を話すことは同級生を売ることになるのではないだろうか。先生とは何か、仲間とは何か、学校とは何か、大人とは何か。世の中を信じられなくなったこどももいるかもしれない。

3日、2学期の始業式があった。三年生は高校入試の準備も始めなければならないだろう。体育祭や文化祭もあるだろう。卒業までの残された日々を充実した実りあるものとするため、心のケアとともに、先生、父兄、地域の方々の全力でのフォローをお願いしたい。

追記:
今ロンドンでは、生まれながらに、或いは事故で障害を負ったアスリートたちが世界に感動を与えている。なかには一度は絶望に陥ったひともいる。パラリンピックは、ひとはどんなことがあっても生き続けなければならないことを教えてくれる。絶望しても良いさ。泣いて泣いて号泣すればよい。涙が涸れ果てれば、もう一度立ち上がり、気持ちを新たに前に進んでいこう。  


Posted by ecell at 19:42Comments(0)大津市いじめ問題

2012年08月27日

学校で徹底すべきこと

今回の事件を踏まえて言えることは次のふたつ。ただし、こどもたちには、世の中には、尊敬できる人や気持ちの良い奴がたくさんいるってことは信じて欲しい。そのうえで、他人を信じる心は持ち続けて欲しいとも思う。

・世界は、学校だけではないということ
・人間関係が辛かったら、学校なんぞ行かなくても良いということ

さらに言えば、♪クラス仲間は何時までも♪...、なんて幻想に囚われないこと。クラスの同級生には、準暴力団構成員、売春婦、根っから意地の悪い変質者、人間的に信用できない生徒などいろんな奴がいるという現実。

わが師の恩も同じこと。パチンコ屋で窃盗する先生、児童買春をする先生、教え子にわいせつ行為をする先生、間違った歴史を教える先生など変な奴が少なくないという現実。もうこれは、あの大津市の教育委員会はじめ教育者と呼ばれる人たちを見てわかったことと思う。

もしかすると、学校に行くことによってこどもの大切な心や感性が捻じ曲げられることさえあるんじゃないかと心配もしている。高等教育を受けなくても立派な仕事をしている人は何人もいる。

だから、学校を自分の成長のための道具だと考えれば良い。学校がそうではないとき、かけがえのない自分の心と身を守ることが大事だ。勉強なんてどこででも出来る。

もっと世界を広げて欲しい。学校のようなちっぽけな汚い水溜りなぞを唯一の世界などと勘違いしないで欲しい。比べ物にならないほど、美しく広い世界があることを知って欲しいと思う。  


Posted by ecell at 16:05Comments(0)大津市いじめ問題

2012年08月26日

大津いじめ外部調査委

8月25日、大津市の中2男子自殺で、自殺の原因を考察する外部有識者による第三者委員会の初会合が大津市役所で開かれた。いじめの背景、自殺に至った経緯の解明、再発防止策を含む報告書を年内にもまとめることが目標。

ただ、大津市は遺族とは民事訴訟で争っているところであり、いじめと自殺との因果関係など係争中の事項は調査の対象外のようである。しかし、外部とはいえ訴訟の一方の当事者の委員会である。市側の都合の良いように、この調査委に圧力をかける、或いはとりまとめ報告書に介入することがないようにチェックしていく必要がある。

また、加害者及びその保護者が聞き取り調査の協力を拒否することも考えられる。先生や生徒たちの記憶も薄れてきているだろう。なかなか難しい仕事であると思う。個人的には、同教育委員会が別に設置する内部調査委員会よりは期待できるだろうと思っている。とにかく、手をこまねいているよりは真相を調べる努力を払うのは良いことである。

ところで、滋賀県警が捜査しているこの事件だが、ネットでは、7月11日の夜の強制捜査前に、教育委員会へ電話し証拠隠滅の猶予を与えた疑いが指摘されている。この事実は、教育長の記者会見でのコメントからあきらかになった。

「昨日の午前中に県警本部の生活安全部長から電話が来て、警察が捜索することになります。捜査のご協力をお願いします。ということだったので、分かりました。とお答えしました。私としては、協力すると言っているのに、何故強制捜索なんですか。と、現場で抗議の思いをお伝えした」

今のところ、公権力を持って事件の真相をあきらかにできるのは警察しかない。けっこう不祥事の多い滋賀警察だが、悲しいかなここ以外は仕事ができない仕組みになっている。つまり、義務教育と同じ独占の公事業。頑張ってもらうほかない。  


Posted by ecell at 20:37Comments(0)大津市いじめ問題