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2010年10月07日
和歌山市のH21年度財政
平成19年6月に、地方公共団体の財政健全化に関する法律が施行され、全国すべての市町村は、平成19年度決算から「財政の健全性に関する比率」として、●実質赤字比率、●連結実質赤字比率、●実質公債費比率、●将来負担比率の4つの指標(健全化判断比率)と、●公営企業の資金不足比率を計算して、議会に報告し、公表しています。
今回、和歌山市の健全化判断比率を算定した結果は以下のとおりです。なお、現時点では、H21年度決算は未発表ですので以下の数値は概算値です。
H21年度健全化判断比率
項 目 和歌山市(20年度) 早期健全化基準 財政再生基準
実質赤字比率 △2.32(△2.31) 11.25 20.0
連結実質赤字比率 △4.92 (△1.5) 16.25 40.0
実質公債費比率 12.2(12.5) 25.0 35.0
将来負担比率 169.6(182.9) 350.0
これを見ると、市の努力が伺えます。実質赤字比率と連結実質赤字比率は黒字ですので、和歌山市は「健全である」と言えます。ただし、実質公債費比率と将来負担比率はイエローカードでは無いものの今後も改善していかなければならない数値です。
公営企業の資金不足比率
項 目 和歌山市(20年度) 経営健全化基準
食肉処理場事業 -(-) 20.0(以下同じ)
卸売市場事業 -(-)
土地造成事業 6.1(6.7)
下水道事業 3.1(18.2)
漁業集落排水事業 -(-)
農業集落排水事業 -(-)
水道事業 -(-)
工業用水道事業 -(-)
全事業が前年度に比べ改善されています。引き続き、土地造成事業(つつじヶ丘)と下水道事業については黒字に向けた一層の努力が必要です。
財政状況一問一答(私案)
問 和歌山市の財政は黒字ですか?
答 現時点ではH21年度決算は公表されていませんので、見込みですが、▲100億1,100万円の赤字です。一般会計が△26億4,500万円の黒字ですが、特別会計が▲203億5,300万円の赤字になっています。公営企業会計(水道・工業水道事業)は△41億5,900万円の黒字です。
問 すべての会計では赤字なのに、何故、連結実質赤字比率で黒字になるのですか?
答 解消可能資金不足額等(△137億4,200万円)があるため、▲100億1,100万円の赤字ですが連結実質赤字比率の計算上、37億3,00万円の黒字とみなされます。
※解消可能資金不足額とは、事業の性質上、事業開始後一定期間に構造的に資金の不足額が生じる等の事例がある場合において、資金の不足額から控除する一定の額。
問 和歌山市の貯金はどのくらいある?
答 平成21年度決算時の基金(財政調整基金等)残高は、幾らかはあると思いますがわかりません。←未確認
問 借金はどのくらいある?
答 平成21年度決算見込みの地方債残高は、およそ3,500億円です。一般会計と特別会計の内訳などは不明です。およそですが、下水道で1,100億円、つつじヶ丘で197億円等の債務があります。
問 H22年度予算の規模はどのぐらいですか?
答 和歌山市 H22年度予算総括表によれば、以下のとおりです。
一般会計 1,347億円
特別会計 1,232億円
公営企業 164億円
総計 2744億円
問 翌23年度予算(案)の規模はどのぐらいですか?
答 一般会計支出で前年度並みの約1,300億円を見込み、収入では約38億円の財源不足が生じる見通しですので、不足分は退職手当債等で補填していく方針だそうです。
問 和歌山市には隠れ借金(負債)はありませんか?
問 隠れ借金などないと思いますが、土地開発公社、三セクなどの借金について債務保証をしていますので、これらが廃止、倒産したときには当然に市が肩代わりをしなくてはなりません。そういう意味では、これら法人の経営状況も考慮していかなければなりません。
参考1:平成21年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について(平成22年9月17日 和歌山市財政局)
全般的に、和歌山市が公開している資料はわたしには分かりにくくて、市の財政の実態について良く理解出来ていません。たとえば、土地取得費など簿価で計上されていても、実態価格はかなり低くなっています。たとえば、資産を簿価で見た場合、負債と同程度の金額ですので黒字に見えますが、土地の下落等により実質でみると大幅な赤字になる場合があります。それは有価証券なども同様です。いわゆる「塩漬け」とか「不良債権」とか言われるものです。
和歌山市の下水道行政は、借金額では早期再建団体の泉佐野市を抜いてワースト1です。しかし、普及率の程度は30%少しで徳島市の次に位置するワースト2です。これに至った理由はよく分かりません。下水道料金、都市計画税などがアップしましたが、他の中核都市と比べて和歌山市は高いのか低いのかなど情報が公開されていません。
来年4月の統一選挙から市議会定数が40から38になるようですが、他の中核都市と比べてどうでしょうか。市職員数の現時点の状況は他の中核都市と比べて多いとのことから3,000人体制にするようですが、関係する資料等を見ることが出来ません。
もっともっと市は情報を公開していくべきだと思います。それも分かりやすくまとめたものと生データの両方を。そうすることによって、市(市職員を含む)の努力が多くの市民に見えてくると思うのです。
参考2:用語
実質赤字比率
一般会計等を対象とした赤字の程度を示します。
連結実質赤字比率
すべての会計を対象とした赤字の程度を示します。
実質公債費比率
年間収入のうち、どのくらいを借金の返済に充てているかを示します(過去3年平均)。
将来負担比率
地方公共団体の一般会計の借入金(地方債)や将来支払っていく負担等の現時点の残高で将来の財政を圧迫する可能性を示します。
資金不足比率
公営企業の特別会計ごとに資金の不足額が、事業規模に対してどの程度あるかを示した比率です。
早期健全化基準
健全化判断比率のうちひとつでも早期健全化基準以上になった場合は、財政健全化計画を定めなければなりません。財政健全化計画は、議会の議決を経て定め、速やかに公表するとともに、県知事への報告が必要になります。
今回、和歌山市の健全化判断比率を算定した結果は以下のとおりです。なお、現時点では、H21年度決算は未発表ですので以下の数値は概算値です。
H21年度健全化判断比率
項 目 和歌山市(20年度) 早期健全化基準 財政再生基準
実質赤字比率 △2.32(△2.31) 11.25 20.0
連結実質赤字比率 △4.92 (△1.5) 16.25 40.0
実質公債費比率 12.2(12.5) 25.0 35.0
将来負担比率 169.6(182.9) 350.0
これを見ると、市の努力が伺えます。実質赤字比率と連結実質赤字比率は黒字ですので、和歌山市は「健全である」と言えます。ただし、実質公債費比率と将来負担比率はイエローカードでは無いものの今後も改善していかなければならない数値です。
公営企業の資金不足比率
項 目 和歌山市(20年度) 経営健全化基準
食肉処理場事業 -(-) 20.0(以下同じ)
卸売市場事業 -(-)
土地造成事業 6.1(6.7)
下水道事業 3.1(18.2)
漁業集落排水事業 -(-)
農業集落排水事業 -(-)
水道事業 -(-)
工業用水道事業 -(-)
全事業が前年度に比べ改善されています。引き続き、土地造成事業(つつじヶ丘)と下水道事業については黒字に向けた一層の努力が必要です。
財政状況一問一答(私案)
問 和歌山市の財政は黒字ですか?
答 現時点ではH21年度決算は公表されていませんので、見込みですが、▲100億1,100万円の赤字です。一般会計が△26億4,500万円の黒字ですが、特別会計が▲203億5,300万円の赤字になっています。公営企業会計(水道・工業水道事業)は△41億5,900万円の黒字です。
問 すべての会計では赤字なのに、何故、連結実質赤字比率で黒字になるのですか?
答 解消可能資金不足額等(△137億4,200万円)があるため、▲100億1,100万円の赤字ですが連結実質赤字比率の計算上、37億3,00万円の黒字とみなされます。
※解消可能資金不足額とは、事業の性質上、事業開始後一定期間に構造的に資金の不足額が生じる等の事例がある場合において、資金の不足額から控除する一定の額。
問 和歌山市の貯金はどのくらいある?
答 平成21年度決算時の基金(財政調整基金等)残高は、幾らかはあると思いますがわかりません。←未確認
問 借金はどのくらいある?
答 平成21年度決算見込みの地方債残高は、およそ3,500億円です。一般会計と特別会計の内訳などは不明です。およそですが、下水道で1,100億円、つつじヶ丘で197億円等の債務があります。
問 H22年度予算の規模はどのぐらいですか?
答 和歌山市 H22年度予算総括表によれば、以下のとおりです。
一般会計 1,347億円
特別会計 1,232億円
公営企業 164億円
総計 2744億円
問 翌23年度予算(案)の規模はどのぐらいですか?
答 一般会計支出で前年度並みの約1,300億円を見込み、収入では約38億円の財源不足が生じる見通しですので、不足分は退職手当債等で補填していく方針だそうです。
問 和歌山市には隠れ借金(負債)はありませんか?
問 隠れ借金などないと思いますが、土地開発公社、三セクなどの借金について債務保証をしていますので、これらが廃止、倒産したときには当然に市が肩代わりをしなくてはなりません。そういう意味では、これら法人の経営状況も考慮していかなければなりません。
参考1:平成21年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について(平成22年9月17日 和歌山市財政局)
全般的に、和歌山市が公開している資料はわたしには分かりにくくて、市の財政の実態について良く理解出来ていません。たとえば、土地取得費など簿価で計上されていても、実態価格はかなり低くなっています。たとえば、資産を簿価で見た場合、負債と同程度の金額ですので黒字に見えますが、土地の下落等により実質でみると大幅な赤字になる場合があります。それは有価証券なども同様です。いわゆる「塩漬け」とか「不良債権」とか言われるものです。
和歌山市の下水道行政は、借金額では早期再建団体の泉佐野市を抜いてワースト1です。しかし、普及率の程度は30%少しで徳島市の次に位置するワースト2です。これに至った理由はよく分かりません。下水道料金、都市計画税などがアップしましたが、他の中核都市と比べて和歌山市は高いのか低いのかなど情報が公開されていません。
来年4月の統一選挙から市議会定数が40から38になるようですが、他の中核都市と比べてどうでしょうか。市職員数の現時点の状況は他の中核都市と比べて多いとのことから3,000人体制にするようですが、関係する資料等を見ることが出来ません。
もっともっと市は情報を公開していくべきだと思います。それも分かりやすくまとめたものと生データの両方を。そうすることによって、市(市職員を含む)の努力が多くの市民に見えてくると思うのです。
参考2:用語
実質赤字比率
一般会計等を対象とした赤字の程度を示します。
連結実質赤字比率
すべての会計を対象とした赤字の程度を示します。
実質公債費比率
年間収入のうち、どのくらいを借金の返済に充てているかを示します(過去3年平均)。
将来負担比率
地方公共団体の一般会計の借入金(地方債)や将来支払っていく負担等の現時点の残高で将来の財政を圧迫する可能性を示します。
資金不足比率
公営企業の特別会計ごとに資金の不足額が、事業規模に対してどの程度あるかを示した比率です。
早期健全化基準
健全化判断比率のうちひとつでも早期健全化基準以上になった場合は、財政健全化計画を定めなければなりません。財政健全化計画は、議会の議決を経て定め、速やかに公表するとともに、県知事への報告が必要になります。
Posted by ecell at 07:02│Comments(0)
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