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2010年11月12日

蒼龍

先日、山本一力さんの「蒼龍」を読んだ。初期作品集である。のぼりうなぎ、節分かれ、菜の花のかんざし、長い串、蒼龍の五編。

 

いずれも佳作でした。ちょっと、ネタバレにならない程度に紹介します。
まずは、のぼりうなぎ。
まじめで誠実な職人の弥助が日本橋の呉服大店にスカウトされる。硬直している大店を改革しようと考える旦那にヘッドハンティングされたのである。番頭手代たちのいじめと反感のなか、弥助は彼らしく働こうとするのだが...
これから就職する若い人、職場の人間関係で悩んでいる人、一読の価値がありますよ。ちょっと泣かされますけどね^^

節分かれ
紀伊国屋文左衛門の名も出てきます。ひいき先と取引先を裏切らない酒問屋の老舗が苦境のなかで貫く商人の美学。商いとは何かが書かれています。

菜の花のかんざし
武士の美学について描いています。昔、読んだ「渡辺崋山」を思い出しました。「君に尽くして忠ならず親に尽くして考ならず」のあの渡辺登=崋山です。彼は安政の大獄で切腹を命じられます。意外にも崋山は一日の猶予を求めます。そして崋山は涙を流して志半ばで死ぬことを悔やみます。しかし、同志たちは侍らしくない崋山を批判します。そのとき、崋山の妹が泣きながら訴えるのです。「兄が流した涙こそ嘘偽りのない尊いものはありません。兄は生きてあなたたちとともにこの日本を変えたかったのではありませんか」← うろ覚えです^^

長い串
これはいい話ですね。例えて言うと、土佐藩の東京出張所長が静岡県東京出張所長に助けられる話^^ 自社内だけではなく他社の方々ともお付き合いを大切にしなさいよ、と教えてくれます。

蒼龍
第77回オール読物新人賞受賞作です。作者のデビューまでの苦労を江戸時代を借りて描いています。なかでもカラスの話と女房のおしのさんが印象的です。この作品だけ語り口は一人称です。


いやぁ、本当にうまいなぁ、この人。短編だけど、伝わってくるよ、人の気持ちが。わたしぁ、はじめてこの人の本を読んだんだけど、感心しました。

山本周五郎さんの「さぶ」とか「日本婦道記」などに似ている感じもするけど、それともちょっと違うみたい。でも、文学的には山本周五郎さんの後継者に位置づけられる作家ではないでしょうかねぇ。


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この記事へのコメント
毎回とても勉強になります。
そしていつも楽しみにブログのぞいてるんで私の足跡びっくりするくらいついていると思います。山本一力さん。。メモメモ早速書店に!!!!
Posted by にわにわ at 2010年11月12日 23:46
拙文を読んでいただき、ありがとうございます。
励みになります。m(^-^)m
Posted by ecellecell at 2010年11月13日 10:12
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