雑学・和歌山→記事一覧 投稿した記事が増えてきましたので目次と要約のサイトにリンクしました(2010.4.3)。画像も増えてきましたので、雑学・和歌山 MY ALBUMにリンクしました(2011.2.12)。

2012年05月03日

金忠善(沙也可)の顕影碑

豊臣秀吉が起こした壬辰倭乱(わが国では文禄の役)の際、加藤清正の陣営に「沙也可」と名のる武将がいた。

彼は、釜山に先鋒将として上陸したが、すぐに朝鮮に憧れて3000人の兵士と共に朝鮮側に降伏した。火縄銃の技術を朝鮮に伝え日本軍とも戦い、戦後その功績を称えられ朝鮮の王から金忠善の名を賜り帰化人となった。その後も女真族による侵略を撃退するなどの功績により、正二品の位階まで昇進した。参考:ウィキメディア 沙也可 より

この「沙也可」という武将については、その存否と、もし歴史上存在していたならば誰なのかという議論がある。幾つかの説があるが、そのひとつに「沙也可」とは「雑賀」であり、雑賀孫市の息子の小源太こと孫市郎こそ、その人であるというのがある。

その説に基づき、2010年11月13日にNPO法人「和歌山の観光を考える百人委員会」が、金忠善(沙也可)に関する韓日国際シンポジウムを開催したのを記念し、和歌浦にある紀州東照宮境内に顕影碑を建立した。

当時インターネットでは、沙也可という日本人は裏切り者であり、売国奴ではないか、何故このような者を顕彰するのかという見解も見うけられた。この顕影碑の建立については、当初は孫一遺跡の矢の宮神社に打診があったというが、矢田部宮司が拒否したということを書かれているサイトもある。

思うに、このようなかたちで顕彰碑が建立されることに問題はない。民間個人が行うことは何ら問題はないのだ。しかし、これを国家や公共団体が行う場合には議会の議決を得るなど民主的な手続きを得ずばならないと思う。

現に、当時枢密院議長であった伊藤博文を暗殺した安重根の顕彰碑が1981年に宮城県栗原市(旧若柳町)の大林寺内に建立されている。

自治体レベルでは、新宮市議会が2001年9月、大逆事件は冤罪(えんざい)だったとして、大石誠之助たち紀州グループ6人の名誉回復と顕彰を宣言する決議案を可決している。が、名誉市民とすることについては一昨年に市議会は否決している。

今回、和歌山の観光業界が沙也可を日韓友好のシンボルとして売り出そうとすることにはまったく賛同している。しかし、それが自治体として顕彰するにあたっては当然慎重な手続きを得る必要があると思う。

ちなみに、この壬辰倭乱についての日韓の教科書の記述はどうか。これについて、李寶燮さんの論文から引用(孫引き?)しておく。

この二つの文章を読みどのような感想を持たれるかは読者にお任せしたい。

○韓国の中学校の道徳教科書
壬辰倭乱の際,日本に「沙也可」という武士がいた。彼は幼い頃から武士修業の傍ら,文の読み書きにも励み文武両道を兼ね備えた武士であった。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)が起きると,沙也可は加藤清正の先鋒将として朝鮮に上陸した。ところが,進撃する途中,不思議なことを目撃した。それはある農夫の家族が乱を避け移動する光景であった。
数千人の日本軍が鳥銃を発砲し迫ってくるのに,農夫は年老いた母親を背負い,農夫の妻は風呂敷包みの荷を頭にのせ,子どもの手をつないで歩きながらも姿勢は少しも崩さず山道を登っていた。その光景に沙也可は深い感銘を受けた。あのように善良でおとなしい民を害するのは聖賢の教えに背くと気付かされた。幾日か思い悩んだ末に,沙也可は自分に従う兵卒500余名を率いて我国(朝鮮)に帰順した。


○日本の高校の教科書
秀吉の朝鮮侵略は,多くの人々をその渦中にまきこんだ。捕虜として日本に連行された人もあれば,さらにヨーロッパへ転売された人もあった。また,朝鮮人でありながら日本側についた人もいた。彼等は順倭と呼ばれている。順倭の中には,心ならずも日本側の手先になった者もいれば,もともと朝鮮国家にうらみをいだき,日本軍の侵略をきっかけに積極的に順倭になった者もいた。そして,日本軍のなかにも朝鮮側に投降した者がいた。彼等は降倭とよばれている。彼等のなかには長陣による兵糧不足と厭戦気分から降倭になった者もいれば,はじめから秀吉の海外派兵に疑問をいだき,積極的に朝鮮側に投降した者もいた。


同じカテゴリー(イベント)の記事画像
ハリケーンに向かってボートを漕いだ女性
今日のグーグルはグー
13億の大国のネットユーザー
ビハインド・ザ・コーヴ
バセットの涙
お正月の天気
同じカテゴリー(イベント)の記事
 「この世界の片隅に」 観たいなぁ (2017-03-29 19:30)
 政治とスポーツ (2016-08-12 08:52)
 5月の祝日 (2016-04-30 12:17)
 雨の中の桜花 (2016-04-04 09:49)
 卒業式の歌 (2016-03-27 10:04)
 Googleの国際女性デー (2016-03-08 09:21)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。