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2013年09月05日

婚外子の相続分

和歌山と東京の婚外子が、それぞれ法律上の夫婦の子どもである「嫡出子」の半分しか相続権が無いのは憲法14条の法の下の平等に反すると高等裁判所と家庭裁判所に訴えたところ、合憲と判断された。

これを不服として、婚外子側が最高裁判所に特別抗告をした。最高裁大法廷の竹崎博允裁判長は、昨日(2013.9.4)、婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分としている民法の規定について、憲法に違反するとの判断を示した。

「子どもは婚外子という立場をみずから選ぶことも取り消すこともできない。現在は社会が変化し、家族の多様化が進むなかで、結婚していない両親の子どもだけに不利益を与えることは許されず、相続を差別する根拠は失われた」

この最高裁の判断は、社会の変化、世界趨勢や法の下の平等の理念などから理解できる。ただ、刑法の尊属殺の憲法違反ほど、問題は単純ではない。当時刑法の尊属殺は死刑もしくは無期懲役であった。事件は、ここに書くのがおぞましいほどの人非人である父親を殺してしまった娘の尊属殺人事件で、詳細は映画、ノンフィクションあるいはネット上でググってほしい。この事件は検察官でさえこの娘を懲役刑にしたくはない、刑務所に入れてはならないと考えた程の事件であった。

まず、過剰防衛等の法律上の刑の減軽で、無期懲役刑(15年換算)を懲役7年6月として、情状裁量でもってしても、懲役3年9月となり、執行猶予(刑が3年以下の懲役または禁錮もしくは50万円以下の罰金であるとき)がつけられない。立法に対して謙抑主義を採っている最高裁は、とうとう伝家の宝刀を抜いた。刑法199条(尊属殺)の規定は憲法14条違反であると。普通殺の規定(3年以上、無期または死刑)で十分ではないか。尊属殺の規定はいらない、削除すべきであるという結論である。

この判断は、我が国の殆どすべての方々の支持を受けたと思う。さて、今般の婚外子の相続分の最高裁判断はどうだろうか。わたしは、これに関しては様々な疑義や不明なところがあると思っている。

独断と偏見でいうと、以下のような点である。

・摘出子であっても遺産がゼロという者が大勢いる現実
・相続制度とは何なのか、いっそ廃止すればどうだ

・法律婚(結婚)制度とは何か、これも廃止を検討すれば
・仮に廃止をすれば、離婚後の女性の6ヶ月待機期間など不要になる
・イスラム社会のように一夫多妻制度はなぜ違法なのか
・その逆の多夫一妻制度も然り

・戸籍制度とは何か、その廃止は可か
・部落とか庶子、私生児、婚外子とかナンタラが無くなる方向性とは

・正妻が婚外子の母親である愛人に請求する慰謝料の相場の増額の必要性
・遺言書の必要性あるいは義務付けの検討
・遺言書が無ければ、すべての財産を国庫に納入するように民法改正

・遺留分の見直しあるいは廃止
・浮気、不倫の刑罰化あるいは罰金制度(財産の2分の1没収)

・何よりも被相続人の感謝(の気持ち)、感情や思いに配慮した相続制度の創設
・男女、親兄弟、家族は様々だから、それらに関する規定の強行性はできるだけ排除するべきなのか

上記のようなたわ言を書いたが、わたしは憲法が謳う法の下の平等の解釈の難しさを言いたい。憲法がもし徹底した平等を求めているのならば、相続制度を廃止し、私有財産権も廃止するべきであろう。そして、子どもは生れ落ちた瞬間、国家あるいは社会が育て、家庭という制度も無くすべきだろう。

でも、おそらく憲法はそんなことを望んではいまい。生れ落ちたときから莫大な財産を相続し、銀のスプーンをくわえてきた子どもがいる。一方、貧しい生活のなか栄養不足で幸薄く亡くなっていく子どもがいる。つまり、平等なんてこの世の中には無いんだ。

だから、わたしたちは、そういう人たちがこの社会・日本において少しでも住みやすくなるように努力をするべきである。貧富の差、正社員と派遣等の格差、その他あらゆる差別がある。合理的な区別を超えた許されざる差別の廃止は当然のことだ。

しかし、今回の嫡出子と婚外子の相続分争いは、わたしには縁の無い単なる財産争いに見えて仕方が無い。国会においては、相続(税を含め)制度や家族法全般について議論をし、より公平で国民の納得が得られるような制度を構築していってほしい。

それにしても、政治家、金持ちの実業家、資産家、モテモテの小金持ちの方々は要注意。まあ、普通のサラリーマンや公務員の方々には関係ないことかもしれない。むぅ、そんなふうでもないって? お通夜の席に隠し子が突然現れたって例は、真面目だって思われていた人ほど多いって...まさか???

関連記事:
最高裁の違憲判断に婚外子女性「『2分の1』の自分取り戻した」産経新聞2013/09/04

女性(和歌山県の40歳代)は、別に妻子を持つ父と、父の経営する飲食店の従業員だった母の間に(姉とこの女性が)生まれた。「二号の子供のくせに」。小学3年生の時、クラスの男子にそうからかわれ「婚外子」としての自分を意識するようになったが、特に不自由は感じなかった。平成13年に父が病気で死亡した際には毎日仕事帰りに病院を訪れ、娘として最期をみとった。

差別を初めて実感したのは、遺産分割の話が持ち上がったときだった。相続分は嫡出子の半分と知り、「命の重みが半分と言われているような気がした」とがくぜんとした。


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