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2017年03月31日

美しき虐殺者の死

最近、心に残った動物の話題が幾つかある。広く知っていただきたい。ひとつは悲劇であり、残酷なことでもあった。

台湾の有名大学を卒業し、難関の就職試験に合格したが、動物が大好きだったので獣医になった。そんな若い女性が動物保護施設で捨てられた犬猫の薬殺処分を担当させられた。

彼女は悩みながらも職務を遂行する。ある日、地元のマスコミのインタビューを受けた。初めて安楽死に立ち会った日「家に帰って一晩泣き明かしました」と職務の辛さを語った。

この後、彼女の日常は激変する。「美しき虐殺者」と、世の猛烈なパッシングを受けたのだ。劣悪な保護施設で蔓延する伝染病、次から次へと送り込まれる犬や猫たち。貰われていくのはごくわずか。

軽薄にも、実情を知らず正義ぶるマスコミや大衆、彼女はこの事実を訴えるため、ある決意をする。

2016年5月5日、彼女は自らの命を絶つのである。動物たちを安楽死させる同じ薬品を使って。迷い犬がどんな目に遭うか、台湾の人々に理解してもらいたいという書き置きを残して。




彼女の書置き
「私の死によって、捨てられた動物にも命があるということを皆さんに分かってもらえればうれしいです。(問題の)原因に対処する重要性を政府に理解してもらいたいです。命を大切にして」。

彼女の死から9ヵ月後の本年2月4日、施行された新法によって、捨て犬や猫の殺処分は廃止された。予算は4割増加。検査官が増員され、保護施設にペットを持ち込む人は125ドル(約1万4000円)徴収されることになった。

全文は以下のサイト
動物保護施設の獣医、安楽死の薬を自分に注射 台湾 BBCのシンディー・スイ記者

ここからは蛇足であるけど、この問題については僕らの国(自治体を含めて)もすごく遅れているように思う。それに情報も不足している、たとえば熊本県の殺処分ゼロは、保護施設の職員たちの努力によるところが大きいのではないだろうか。身勝手な飼い主には引取りを拒否し、物議をかもしながらも動物愛護を貫いた施設所長たちの熱意があったからだろう。

殺処分のような過酷な業務に就く職員たちのカウンセラーは大丈夫だろうか。紛争地域に派遣された外交官や自衛隊員たちの精神面のケアは十分であるか。極端に過激な公務だと思う死刑執行はどうか。

死刑執行官を描いた小説を読んだことがある。執行直前に、ある死刑囚が突然暴れだすのだ。目隠しをされ、拘束されているのだが人間業とは思われない力で抗い、執行官たちはクビにロープを巻くことができない。

立会いの法務官僚や検察官たちはイライラしながら13階段を見上げている。やがて、一人の執行官が死刑囚を押さえ込み、ようやく刑を執行することができた。この執行官はこれを評価され昇任していくのだけど心に変調が現れるようになる...

わたしは、民主法制としてはおかしいかもしれないが、加罰感情が最大の者、たとえば被害者の遺族の方々に死刑を執行してもらうのが一等良いのではないだろうか、と思う。遺族がそれを嫌がるのなら、裁判官、法務大臣にしてもらうのが良いのではないだろうか。そんなことは誰もしたくないのなら死刑制度は廃止して、生涯刑務所に閉じ込めておくのが良いだろう。いやいや、犯罪を抑止するのが肝心だ、という人もいるだろう。「人を殺してみたい」という方に執行してもらえばどうだろう。あるいは、裁判員制度のように抽選で死刑執行官を選べばどうか。

例によって独善的な感想に走ってしまった。もうひとつの、「誰もが見放した老チワワに奇跡が起こった」話題は次にしようっと。転覆病にかかった金魚にコルクの浮き輪をつけた”車いす”のことも書きたいな。「命を大切にする、ね」


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