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2011年02月04日
お役所言葉
2月2日、和歌山市の職員らが作る政策研究グループによる政策の報告会が同市役所で開かれた。若手職員たちが、行政特有の“お役所用語”や専門用語をまとめた用語集の作成を提案。既に約2000語をピックアップしており、「各部署ごとに特有の表現や言い回しがあり、用語集は業務の効率化につながる」などとアピールしたとのことである。 読売新聞
この報道、ちょっと見にはなかなか良いんじゃないと思うのですが、少し、何かおかしい感じがするのです。
時代の流れのなかで、今や公務員はわたしたち国民・住民にとって特別な存在ではなく、もはやお上という感覚は希薄である。それゆえ、お役所言葉も普通の言葉に変えようという姿勢がまっとうだろうと思う。しかしそうではなく、和歌山市役所はお役所言葉の辞典を作ったのである。お役所言葉を変えるのではなく、残そうとする考え、これって何だかおかしいと思うのだ。
特に現在感覚の若手市職員は、お役所言葉に抵抗感を持ち、普通の人が使っている言葉に変えていくべきところ、用語集などを使ってまでそんな特殊な言葉を残そうというところに少し違和感が起こったのである。
普通、お役所言葉は、日本語とまるで反対の意味を持つもの、何だかよくわからないものがあるので、素人が使う際は注意が必要であるといわれる。
お役所言葉:前向きに検討する → 日本語:何もしませんが、何か?
お役所言葉:対応を協議する → 日本語:各方面に根回しが必要なので、時間を稼がせてほしい
お役所言葉:早急に対策を練る → 日本語:現時点では何の対策も練ってませんが、何か?
お役所言葉:何らかの処置を取る → 日本語:どうしようかな、何も考えてないんだけど?
故・井上ひさし氏はお役所言葉を手厳しく批判※し、同じく故・三島由紀夫氏も、若き日の大蔵官僚時代に経験した公文書の書き方が、主語が明確でなく、「考えられる」など巧妙な表現で責任を逃れる、と官僚の文書作成テクニックに驚嘆している。
もちろん、法令・専門用語をまとめることは結構なことである。例えば、「55災を埋めごろして云々」など土木・法令用語を仲間内で使うのは効率性というか、伝統的なもので、職員はそんな言葉に慣れるしか仕方が無いものも少なくないだろう。
しかし、「お役所言葉」を改善しようとするのであれば、できるだけ具体的な表現で分かりやすく、普通の言葉を使うよう努力するべきでなかろうか。
以前、ある公務員が「ところで、この課題のクリティカルパスは何なのか」といったので、「クリティカルパスって何なの」と逆に聞くと、答えてくれなかった。
ところで、何で若手が作ったのだろうか?
大橋建一市長は「耳慣れない言葉に戸惑ったときに役立つのでは」と評価???
「これらの成果を市民の皆さんにわかりやすい言葉で話すためのツールとして役立ててほしい」と評価するのなら分かるんだけど???
昨今、「住金と新日鉄が経営統合へ」「ティファニー和歌山店閉店へ」「大相撲八百長発覚」など大きな事件が起こっているけど、「“お役所用語”や専門用語をまとめた用語集の作成」のニュースが私的に面白いと思ったので、こんな記事を書いてしまった。それにしても、だいたい胡散臭い言葉を使うところって、やっぱり何か問題があるんでしようね^^
※井上ひさし氏が書かれた『日本語観察ノート』に、「官僚文章の癖」という文章が出てきます。
その中で、氏は「昔からお役人はわけのわからない文章を書くことで知られています。私たち国民が書くものとはまるで肌合いの違う文章を書く。」と書かれ、例として次の四つを挙げられています。
① 漢語を多く使う。
② カタカナ英語を多く使う。
③ 造語を多く発明する。
④ 独特の言い回しをする。
出典:下記の佐賀県文書より
参考:
佐賀県:いわゆる「お役所言葉」改善の手引きの策定についての意見募集結果(いわゆる「お役所言葉」改善の手引-責任が明確で、分かりやすく、読みやすく、そして、親しみやすい。そんな文書をつくるために)
お役所用語
この報道、ちょっと見にはなかなか良いんじゃないと思うのですが、少し、何かおかしい感じがするのです。
時代の流れのなかで、今や公務員はわたしたち国民・住民にとって特別な存在ではなく、もはやお上という感覚は希薄である。それゆえ、お役所言葉も普通の言葉に変えようという姿勢がまっとうだろうと思う。しかしそうではなく、和歌山市役所はお役所言葉の辞典を作ったのである。お役所言葉を変えるのではなく、残そうとする考え、これって何だかおかしいと思うのだ。
特に現在感覚の若手市職員は、お役所言葉に抵抗感を持ち、普通の人が使っている言葉に変えていくべきところ、用語集などを使ってまでそんな特殊な言葉を残そうというところに少し違和感が起こったのである。
普通、お役所言葉は、日本語とまるで反対の意味を持つもの、何だかよくわからないものがあるので、素人が使う際は注意が必要であるといわれる。
お役所言葉:前向きに検討する → 日本語:何もしませんが、何か?
お役所言葉:対応を協議する → 日本語:各方面に根回しが必要なので、時間を稼がせてほしい
お役所言葉:早急に対策を練る → 日本語:現時点では何の対策も練ってませんが、何か?
お役所言葉:何らかの処置を取る → 日本語:どうしようかな、何も考えてないんだけど?
故・井上ひさし氏はお役所言葉を手厳しく批判※し、同じく故・三島由紀夫氏も、若き日の大蔵官僚時代に経験した公文書の書き方が、主語が明確でなく、「考えられる」など巧妙な表現で責任を逃れる、と官僚の文書作成テクニックに驚嘆している。
もちろん、法令・専門用語をまとめることは結構なことである。例えば、「55災を埋めごろして云々」など土木・法令用語を仲間内で使うのは効率性というか、伝統的なもので、職員はそんな言葉に慣れるしか仕方が無いものも少なくないだろう。
しかし、「お役所言葉」を改善しようとするのであれば、できるだけ具体的な表現で分かりやすく、普通の言葉を使うよう努力するべきでなかろうか。
以前、ある公務員が「ところで、この課題のクリティカルパスは何なのか」といったので、「クリティカルパスって何なの」と逆に聞くと、答えてくれなかった。
ところで、何で若手が作ったのだろうか?
大橋建一市長は「耳慣れない言葉に戸惑ったときに役立つのでは」と評価???
「これらの成果を市民の皆さんにわかりやすい言葉で話すためのツールとして役立ててほしい」と評価するのなら分かるんだけど???
昨今、「住金と新日鉄が経営統合へ」「ティファニー和歌山店閉店へ」「大相撲八百長発覚」など大きな事件が起こっているけど、「“お役所用語”や専門用語をまとめた用語集の作成」のニュースが私的に面白いと思ったので、こんな記事を書いてしまった。それにしても、だいたい胡散臭い言葉を使うところって、やっぱり何か問題があるんでしようね^^
※井上ひさし氏が書かれた『日本語観察ノート』に、「官僚文章の癖」という文章が出てきます。
その中で、氏は「昔からお役人はわけのわからない文章を書くことで知られています。私たち国民が書くものとはまるで肌合いの違う文章を書く。」と書かれ、例として次の四つを挙げられています。
① 漢語を多く使う。
② カタカナ英語を多く使う。
③ 造語を多く発明する。
④ 独特の言い回しをする。
出典:下記の佐賀県文書より
参考:
佐賀県:いわゆる「お役所言葉」改善の手引きの策定についての意見募集結果(いわゆる「お役所言葉」改善の手引-責任が明確で、分かりやすく、読みやすく、そして、親しみやすい。そんな文書をつくるために)
お役所用語
Posted by ecell at 22:53│Comments(0)
│行政