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2013年07月09日

西郷さんの逸話

歴史に興味を持っている。なかでも、戦国時代(豊織期)、明治維新、戦前の昭和期という激動の時代に。こういう時代には、天の配剤というべきか、何故か信じられないような傑出した人物が歴史に登場してくる。例えば、西郷隆盛。

維新の功績第一等の西郷は、帰郷後、政府に招かれ、陸軍大将・近衛都督の地位にあった。雨の続くある日、政府の大事な会議に出仕しようとする。が、一張羅の服が乾いていない。質素の生活ゆえ、あとは粗末な着物しかない。

西郷は、雨のなか裾を捲り上げ官邸へと急ぐ。その風情をみた番兵は怪しげな奴と容易に入れようとはしない。雨に打たれながら番兵に叱られている大男の西郷の横を岩倉具視の馬車が過ぎる。

西郷に気づいた岩倉は馬車を止め、番兵に「この方は西郷大将であるぞ」と怒鳴りつける。このとき、西郷は、「岩倉はん、間違っており申す。わたしが悪い。不審な者を糾問する職務に忠実な彼を叱ることは間違って居申す」と身を縮めたという。

この話には、西郷が門監(身分証明書)を忘れて、門番に叱られていたという説(記録)もある。このほか、アメリカ親善のために幕府が咸臨丸を渡米させる際、西郷が「初代大統領のワシントンの末裔がどうしているのか、尋ねてきて欲しい」と頼んだことがある。

しかし、乗組員たちがアメリカで聞き調べてもワシントンの末裔の消息はわからなかった。ワシントン彼自身も、大統領の職を辞した後は、郷里での長い闘病生活の末、ひっそりと亡くなったとのことであった。

西郷は、この話を聞いて、イギリスと戦い独立を勝ちとったワシントン将軍が大神君(徳川家康)のようにならず、職を辞し亡くなるまで郷里で隠棲していたとは、と驚嘆した。欧米の人には貪欲な人もおり信頼できないところもあるが、ワシントンのような人もいるのか、と。

蛇足:
西郷隆盛に関する上記の二つの挿話の真偽、正確さの有無は不明です。どこかで読んだり聴いたりしたものをあいまいな記憶で綴りました。ただ、これらの話は、大西郷のイメージに沿うものだと思います。それにしても、これだけの人物なのに写真や肖像画が一枚も伝えられていないとは。西郷さんには自己顕示欲ってモノが全くなかったのかもしれない...


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